現在 Google の director of research を務める Peter Norvig が Slate のロングインタビューに答えている。
いろいろ読みどころのあるインタビューだが、ワタシが注目したのは Google Blogoscoped も引用している部分。人気のプロダクト(検索、Gmail、Maps あたりを指しているのだろう)を生み出す企業文化がいかにしてできたかを問われ、Norvig は以下のように答えている。
そうだね、優れた人材がいるのが大きいよ。でも思うに、重要なのはたくさんのアイデアを試していることなんだ。我々は社内に究極のデモシステムを構築している。スタートアップ企業がアイデアを思いついたら、こう思うだろう。「ああ、アイデアがうまくいくか試すウェブのコピーが欲しいし、コンピュータが千台いる。それには資金を調達しなきゃ」そうして彼らは数ヶ月なり数年かけて資金を調達し、インフラを構築する。
一方、我々にはそれがすべてある。誰でも初日にその使い方を学び、「OK、アイデアがあるんだけど、材料は既にここにあるから、組み合わせてみてうまくいくかどうか調べられるな」と言えるわけだ。で、もし今日うまくいかなければ、来週には別のアイデアに取り組む。つまり、わき道で何ヶ月も無駄にしない。組み立ておもちゃなんかで遊ぶようなものだ。つなぎあわせてみて、それがいいと思えば続けるし、そうでなければそれを外してまた新しいことを始める。
Google が抱えている「データ」がいかに有用かということだろうが、一方でその弱点も垣間見えるようにもワタシには思える。つまり、彼らが抱える「データ」はインターネットのコピーと言えるが、Google の中にいる「人」は、もちろん優秀な人ばかりだろうが、普通のインターネットユーザじゃあない。
そのあたりは先日の Google Wave 撤退やソーシャル面のノウハウが欲しくてたまらないという話にも通じるものがあるように思う。
あと最後に宣伝しておくと、ワタシは Peter Norvig の「プログラミングを独習するには10年かかる」を訳してるので、まだの人は読んでみてくだされ。
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