オライリーというと10年前から Safari Books Online というサブスクリプションモデルのデジタルライブラリを手がけ、またカタログの DRM を排した電子書籍化にも積極的だが、少し前から電子書籍の無料配布が目立つ。
例えば、先月紹介した『Best of TOC 2012』アンソロジーがそうだが、最近はビッグデータ関連で以下の二つがある。
こうしてみると分かるが、『Planning for Big Data』を除けばいずれもオライリーのブログ O'Reilly Radar に掲載されたブログ記事をまとめて(プラスアルファして)電子書籍化したものである。確かに PDF で20ページを超えるくらいになると、ウェブページよりもファイルとしてまとめて持ちたい気もする。
ただ元々無料で公開したものとはいえ電子書籍化にもコストはかかるし(しかもオライリーは ePub、Mobi、PDF と各種フォーマットに対応する)、執筆してもらうのにギャラも発生しているはずだ。どうやってペイしているのかというと、やはりカンファレンスビジネスの導線の役割をこれが担っているのだろうな。
オライリー本流といえる(?)プログラミング関係でも、Google のウェブ開発向けプログラミング言語 Dart の解説記事 What is Dart? がすかさず電子書籍版が無料公開されている。
ウェブ時代の情報の流れの速さへの対応ももちろんあるのだろうが、そんな無料で公開していいのかねという気にもなる。