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『負債論』が話題となったデヴィッド・グレーバーの新刊は、人間にあてがわれる「無意味な仕事」の勃興がテーマ

ブレイディみかこさんから『そろそろ左派は〈経済〉を語ろう レフト3.0の政治経済学』asin:4750515442)を恵贈いただき、読んでいるところである(すいません、ワタシ、本を読むのが破壊的に遅いのです)。

面白く読ませてもらっているのだが、国の借金と財政破綻といった話題のところで、どうしてデヴィッド・グレーバーの『負債論 貨幣と暴力の5000年』(asin:475310334X)の名前が言及されないのかなと少し不思議だった(ワタシが読み落としているだけで、出てきているならすいません)。

デヴィッド・グレーバーの本は、他にも『アナーキスト人類学のための断章』(asin:4753102513)、『資本主義後の世界のために (新しいアナーキズムの視座)』(asin:475310267X)、『官僚制のユートピア テクノロジー、構造的愚かさ、リベラリズムの鉄則』(asin:4753103439)といった邦訳が出ており、この邦題を見ても分かる通りアナキズム寄りの人であり、みかこさん好みかと思ったのだが。

さて、そのデヴィッド・グレーバーの新刊が出ることを Guardian に抜粋されているので知る。

Bullshit Jobs: A Theory

Bullshit Jobs: A Theory

Bullshit Jobs: A Theory (English Edition)

Bullshit Jobs: A Theory (English Edition)

新刊のタイトルは『Bullshit Jobs』というなかなか強烈なものだが、要は空っぽの部屋を監視するとか、メールをただコピペするとか、一見忙しそうに見えるが、実は何の意味もないように思える仕事をしているという人が多いのはなぜかという話のようだ。これも邦訳出るでしょうな。

AI(人工知能)により人間の仕事は大方奪われてしまう――式の脅し記事をよく見る昨今ではこれは切実なテーマである。もっとも、グレーバーはこの話題について5年前から書いているので、最近の AI 絡みのニュースがもたらす不安に安易に乗っかった本ではないだろうが。

[2018年05月20日追記]ブレイディみかこさんより、「だから、「負債論」を思い出されたとすれば、それはむしろ本に書いてあることを喋っていたから(笑)」というコメントをいただきました。

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