アメリカの著名な法学者であるキャス・サンスティーンが、11月12日までの期間限定で新刊 Behavioral Science and Public Policy を無料公開している。
New book: BEHAVIORAL SCIENCE AND PUBLIC POLICY. FREE book (free, that is, for about 2 weeks). On nudges and well beyond: COVID-19, climate change, road safety, paternalism, John Stuart Mill, and human welfare. @ElenaAltieri @JTasioulas @tribelaw https://t.co/5pr8DfOFxU
— Cass Sunstein (@CassSunstein) November 1, 2020
ワタシの場合、キャス・サンスティーンの出会いが、『#リパブリック: インターネットは民主主義になにをもたらすのか』の元本(?)『インターネットは民主主義の敵か』だったもので、それこそローレンス・レッシグなどと並ぶ論客という意識だったのだが、一般の認知はそれよりも「ナッジ」など行動経済学方面の仕事に違いない。
そうした意味でこの無料公開されている(PDF ファイルで80ページ程度の)薄い本は、それこそ新型コロナウイルスなどの問題まで射程に入れた行動科学と公共政策を論じたもので、興味ある人はダウンロードしておいて損はないでしょう。普通に紙の本で買ったら2000円超だしね。
Behavioral Science and Public Policy (Elements in Public Economics)
- 作者:Sunstein, Cass R.
- 発売日: 2020/11/12
- メディア: ペーパーバック
というか、キャス・サンスティーンは本当に多作な人で、ワタシはかつて「2017年は実はキャス・サンスティーンの年だった」と書いているが、今年も2冊邦訳が出ている。
データで見る行動経済学 全世界大規模調査で見えてきた「ナッジの真実」
- 作者:キャス・サンスティーン,ルチア・ライシュ
- 発売日: 2020/04/17
- メディア: 単行本
ナッジで、人を動かす ――行動経済学の時代に政策はどうあるべきか
- 作者:キャス・サンスティーン
- 発売日: 2020/09/25
- メディア: 単行本
だからわざわざ英語で読まなくても彼の「行動科学と公共政策」の本は読めるとも言えるわけだけど。
そういえば少し前にも彼の少し前に出たばかりの新刊の書評を読んだばかりなのだが、これも来年以降に邦訳が出るでしょうね。調べてみると、『ファスト&スロー』のダニエル・カーネマンらとの共著も来年刊行予定で、本当にこの人は多作だなぁといささか呆れてしまう。
Too Much Information: Understanding What You Don't Want to Know
- 作者:Sunstein, Cass R.
- 発売日: 2020/09/01
- メディア: ハードカバー
Noise: A Flaw in Human Judgment
- 作者:Kahneman, Daniel,Sibony, Olivier,Sunstein, Cass R.
- 発売日: 2021/05/18
- メディア: ハードカバー