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ワタシがNetflixで観たドラマをまとめておく(2021年秋~2022年夏編)

yamdas.hatenablog.com

およそ一年前に2年分のまとめを書いたが、今回から(Netflix の契約が続けばだが)だいたい一年ごとにやっていこうかと思う。

基本的に新しく見始めたものだけ取り上げ、シーズン継続のたびに書かないが、今回も例外がある。

ザ・チェア ~私は学科長~(Netflix

えーっと、大嫌い。

主役のサンドラ・オーはともかく、それ以外の登場人物の多くがそれぞれ不愉快。特にビル・ドブソン役のジェイ・デュプラス、妻を亡くしたショックから立ち直れない自堕落キャラなのはいいが、そう言いながらずっと主人公に言い寄ってるの、お前なんなの? 彼のマスクの甘さなどで、なぜか好感の持てる人物と描きたいようなのが意味分からん。

このドラマに出てくる年寄りの教授連はいずれも向上心に欠けるだけでなく、(ときに違法なやり方で)若い人間の足を引っ張ることが多いのに、最終的にこの人が主人公の後釜になるのって、その人の性別以外何があるんでしょうか?

キャンセルカルチャーや新世代の教育方法を肯定したいのかどうなのか、実に腰が据わってない。ゴミですね。


真夜中のミサ(Netflix

いやぁ、これはすごかった。

マイク・フラナガンNetflix ドラマはずっと追ってきたが、『ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス』とは違った意味で衝撃を受けた。

これは彼のとてもパーソナルな作品であり、信仰の理不尽さを掘り下げている。本作では悪役に分類される登場人物の「奇跡をえり好みはできないのです!」という言葉の禍々しさたるや。

マイク・フラナガンの次作はポーの『アッシャー家の崩壊』が原作みたいだが、そりゃ見ますよ。

イカゲーム(NetflixWikipedia

あまりに話題になったドラマなのでワタシも観たが、確かにこれは面白かったし、よくできていると思った。ただ、後半になって海外からの「ゲスト」が登場したあたりでたるんだ感じはあった。オ・イルナムの脱落に涙したが、最後にあんな展開が待っていたとは……

先日もエミー賞ドラマ・シリーズ部門の主演男優賞と監督賞を受賞していたが、本作はとにかく話題になったので、それについて書かれた文章をいろいろ読んだ。その中では、辰巳JUNKさんの「『イカゲーム』考察:韓国経済とキリスト教」が特に参考になった。


地獄が呼んでいる(NetflixWikipedia

イカゲーム』に続いて話題の韓国ドラマを観たわけだが、これはかなーりイヤなところをえぐってくるドラマである。個人的にはあまり好きな作品ではないのだけど、本作の重要な要素にネット社会の風刺があり、それに成功しているのは間違いない。

ドラマの前半と後半で主人公が変わるのが新鮮だった。


平家物語公式サイトNetflixWikipedia

考えてみれば、Netflix でアニメもいくつか観ているのに、このシリーズでちゃんと取り上げていないものがあったかもしれない。

たまたま今年の大河ドラマと題材的に重なるため、例えばこのアニメを見ながらその前の週に見た大河ドラマを思い出し、「おいおい、平家はあんな奴らに滅ぼされるのか」と思ったりと妙な具合だった。

評判通りの出来だったが、ワタシ自身がアニメをあまり観ないというのもあってか、そこまではのめりこまなかった。本作の主人公は徳子なんですね。

地球外少年少女(公式サイトNetflixWikipedia

本作は前後編で劇場公開もされているので、この枠に入れてよいものか分からないが、ワタシは全6回のドラマシリーズとして観たので。

これはかなり面白かったし、かなり没入して観ることができた。

近未来の宇宙を舞台にしたアニメとしてとてもよくできている。しかし、そこに登場する企業イメージがすべて現在のそれの意匠の翻案であり、「未知」を見せる姿勢を放棄しているという意味で退嬰的で、それはクライマックスで発せられる「日本製だから過剰品質」というセリフにもあらわれており、ワタシもこれには鼻白んだ

今、私たちの学校は...(NetflixWikipedia

学園もの×ゾンビ……これが面白くないわけないだろ! と思ったら、本当に面白かった。ゾンビの動きを特徴的に見せる演出の妙もあった。

学園ものだから当然恋愛要素を含むのだけど、正直、今どきそんな古臭い描写するんだ、とちょっと呆れたところもあった。例えば、イ・ナヨンがギョンスを死に追いやる直前、二人を見守る男子陣のセリフとか。

また本作では、そのイ・ナヨンの描写には強いミソジニーを感じた。

おっと、ちょっと待っていただきたい。だからワタシは本作をダメだと言いたいのではない。誤解を恐れずに言えば、その逆だ。ミソジニーといえば、『イカゲーム』のハン・ミニョの描き方についても女性蔑視という批判があったのを思い出す。

こういうことを書くと刺されるだろうが、『イカゲーム』にしろ本作にしろ、女性の登場人物の描写にあるミソジニーは、確実にドラマの面白さに貢献している。これについては、ベンジャミン・クリッツァーさんが村上春樹について書いていた文章を思い出した。

 そもそも、村上作品のミソジニー性は欠点ではなく、作品の価値を成り立たせるプラス点だ。結局のところ、(1)世の男性は多かれ少なかれミソジニー的な認識を抱えて生きているのであり、(2)男性が女性に対して抱くミソジニー的なステロタイプはある面での「事実」を多かれ少なかれ反映している。(2)がある限りはいくらジェンダー論が力を得たところで(1)がなくなることはないだろうし、そして優れたフィクションであれば(1)と(2)の両方の「リアルさ」を描くことができるものだ。村上作品はその点でのリアルをきちんと描けているのであり、だからこそこれほどにも多くの男女からの支持をいまだに得られているのだろう

『ドライブ・マイ・カー』(+『マディソン郡の橋』) - THE★映画日記

イカゲーム』にしろ本作にしろ、この点で「リアルをきちんと描けている」「優れたフィクション」とワタシは評価するわけです。

逆に言えば、ミサンドリーが物語を推進する原動力になり、面白さに確実に貢献している作品があるのも(認めたくない人は多いだろうが)厳然たる事実だろう。それに感情的な好き嫌いが喚起されるのは避けられないにしろ、ワタシはミソジニーミサンドリーが感じられるというだけで作品自体を否定はしたくない。

本作については、続編も可能な終わり方になっていたが、個人的にはそれはイヤだな。


国民の僕(Netflix

ウクライナのゼレンスキー大統領が出演している、というかこのドラマのおかげで彼は大統領になれたといえるドラマなわけだが、Netflix で配信されると聞けば見てみようとなったが、正直すごく詰まんなかった。

初回を見ただけで、字幕に漢字の誤記がいくつも気づき、Netflix の字幕の質がヤバいという話をしみじみ実感してしまったが、このドラマに関しては、字幕の誤記だけでなく訳もおかしいのが散見されるという話も小耳に挟んだ。ただ、そこまで確認するところまで行く前に、最初の3話を見たところで、現実のゼレンスキー大統領にはっきり肩入れしているワタシですらもういいやと離脱した。

リンカーン弁護士NetflixWikipedia

マシュー・マコノヒー主演の映画版を未見。そもそもこのタイトルだけ見て、「エイブラハム・リンカーンが弁護士だった時代の活躍を描く歴史ドラマ」と思い込んでたくらいだが、評判に押されてみてみた。

これは切れ味がよくて面白かったです。やはり、法廷ドラマはアメリカ的よね。

サンドマンNetflixWikipedia

恥ずかしながら、ニール・ゲイマンの原作は未読だったりするので、そちらとの比較はできないのだが、これはよくできている。でも、物語が主人公の活躍からではなく、主人公が人間に囚われるところから始まったのには、これでいいのかしらと思っちゃった。

原作を読んでいないので、果たしてシーズン1で原作をどこまで網羅できたか、何シーズンくらい可能なのか分からないが、これはしっかり映像化として完結してほしいですね。


ベター・コール・ソウル(公式サイトNetflixWikipedia

一度取り上げたドラマについては取り上げない方針だが、これは書かざるをえない。

『ブレイキング・バッド』はワタシにとっても特別なドラマだったので、そのスピンオフってどうよという懐疑的な気持ちがあったのだが、これはこれで『ブレイキング・バッド』とはまた違った意味で自分の中で大きな作品になっている。

というか、あの史上最高のドラマと言われた『ブレイキング・バッド』よりもこちらのほうが好きかもしれないくらい。

あとはどれくらいしっかりした完結を見せてくれるかでしょうね。

ワタシがこれまでNetflixで観てきたドラマをまとめておく - YAMDAS現更新履歴

あれから3年、遂にこのドラマは完結した。「しっかりした完結」どころではない、『ブレイキング・バッド』とはまた違った、見事なフィナーレだった。

ブレイキング・バッド』も始まりから想像もつかない地点までたどり着いての終焉だったが、本作も(『ブレイキング・バッド』の前日譚という準拠枠にも関わらず)とんでもないところまでたどり着き、まさか『ブレイキング・バッド』の先まで描いて終わるとは思わなかったな。

最終シーズンにおける、もはやテレビドラマ/映画の二分法を超えた手法で描かれる、ゆったりとした展開ながらソウルたちを締め上げていく前半、そして恐ろしいカタルシスがもたらされる後半、いずれも完璧だった。そして、最終回において何度も登場するタイムマシンの話から浮かび上がる「後悔」のコンセプトが重かったし、正直この終わり方でよかったと(このドラマにはヘンな表現になるが)心が暖まるものがあった。

ブレイキング・バッド』と『ベター・コール・ソウル』を最初からゆっくり観直せる日が来るといいな。

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