「刑事コロンボ」が放送開始50周年とのことで、日本の視聴者が人気投票で選んだベスト20の放送が、1位の「別れのワイン」の放送をもって終わりを迎えた。これも一つの平成の終わりだろうか?(違います)
このベスト20の再放送だが、うっかり忘れていてベスト15以上しか録画できなかったのだが、それでも実は観ていないエピソードがいくつもあって、改めて「刑事コロンボ」を楽しませてもらった。
でもなー、今回改めて70年代のエピソードを見て強く思うのは、「コロンボ、事件現場だろうが犯人の家や職場だろうが、遠慮なく葉巻吸いすぎだろが!」だったりする。もはや見てて冷や冷やするレベルである。
この点では昔の日本映画/テレビドラマも似たようなものだろうが、逆にいうと1970年代以前を作中に描く場合、タバコを無視するわけにはいけないと思うわけです。
今回放送されたのは、上記の通り日本の視聴者の人気投票の結果だが、そもそもコロンボを演じたピーター・フォーク自身が好きだった回ってどれだろう? と思って調べてみたら、以下の4つがもっともお気に入りのエピソードらしい。
「別れのワイン」に関しては、視聴者とピーター・フォークの好みが一致していたわけですな。あと意外にもと言ってはいけないが、2~4位はすべてシーズン5(1976年)放送のエピソードである。
今気づいたのだが、「魔術師の幻想」の原題は "Now You See Him" で、同じく奇術師が主人公である映画『グランド・イリュージョン』(asin:B00O8O8QD2)の原題 "Now You See Me" って、刑事コロンボのこのエピソードから採られたものだったりするのだろうか?
あと「忘れられたスター」は、刑事コロンボ版『サンセット大通り』(asin:B00C97XYR8)というべきエピソードで、やはりジャネット・リーとの共演が嬉しかったのかな。あとこのエピソードは、最後で真犯人以外の人物が連行されていくという珍しい回なのだが、その人物、そしてコロンボのやり取りに優しさがある。
コロンボは殺人課の刑事で、相手するのは当たり前だが皆殺人犯である。それでも「忘れられたスター」もそうだが、犯人に何らかの同情や敬意を払うエピソードもある。ワタシを含む日本の視聴者の多く、そしてフォーク自身も一番愛する「別れのワイン」は、コロンボは犯人の仕事と価値観を理解しようとし、それに深い敬意を払う。そして、犯人自身もコロンボを自分を追い込む刑事とのしての職能だけでなく(それを認める犯人は多い)、ワインを理解しようとするコロンボをちゃんと認める。互いが互いに敬意を払う「別れのワイン」が最高傑作なのは、当然のことなのかもしれない。
しかし、ピーター・フォークが亡くなってから今年で8年になるんやね。
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