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ローズ・イン・タイドランド

ローズ・イン・タイドランド [DVD]

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いやー、上映途中に席を立ちたくなった映画は久しぶりだった。

我が愛しのテリー・ギリアムの最新作である。前作『ブラザーズ・グリム』の評判が悪かったので(ワタシはあれはあれでよかったと思うが)、その雪辱戦とも言える。前作よりは思い通りに作れたようだし、『フィッシャー・キング』以来のジェフ・ブリッジス登場ということでワタシ的にも期待が高まる。しかし、うーんという感じだった。

本作はギリアム版『不思議の国のアリス』であり、彼が撮るのだから上品なファンタジーに収まるわけがないのは分かっていた。英米でも否定的な評が多かったようだが、年端もいかない娘がダメ親父のヘロイン注射を手伝うようなインモラルさ、そして本作のフリーキーなところに拒絶反応を示したのだろう。

本作に横溢する死と性を受け付けない良識ある人たちがいるのは分かる。それなら良識に欠けるワタシはどうだったか。前者に関しては楽しめるのとそうでないのが半々、後者に関してははっきり受け付けなかった。これは個人的な嗜好の問題だと思う。ただ主人公を演じるジョデル・フェルランドがすごく達者な演技をしていたのは間違いない。彼女は賞賛に値する。

少女の幻想を映像で表現した場面は文句なしに素晴らしかった。もっとそれを出してほしかったくらい。それにラストの炎上に大分気は晴れたけどね。

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