村上龍が電子書籍出版社 G2010 を設立するということで、彼自身による「G2010設立の理由と経緯」を読むとすごく腑に落ちるというか筋が通っていて素直に応援したくなった。ただ彼は電子書籍をリキ入れて作るタイヘンさもちゃんと書いていて、楽な道でないのも確かだが。やはり、作家自らが一旗上げないと前に進めないという構造自体が問題だよ。
ワタシにとって村上龍は大学時代『限りなく透明に近いブルー』を読んで衝撃を受けて以来好きな小説家だったが、最近の作品となると『イン ザ・ミソスープ』あたりを最後に10年ぐらいちゃんと読んでないし、彼のメルマガも購読を止めて大分経つから今は良い読者とはいえない。
そんなワタシ的には「G2010設立の理由と経緯」の以下のところにおっとなった。
(株)グリオは、JMMというわたしのメールマガジンを運営・配信している会社です。会長の中村三郎氏は、高校時代を描いたわたしの小説『69』で校長室にウンコをしたナカムラのモデルとなった人物の「実弟」であり、社長の船山浩平氏は06年のドイツワールドカップをともに取材した友人でした。
JMM | 村上龍電子本製作所
最高の青春小説『69』において最高に笑える校長室のウンコの場面だが、『69』の主人公ヤザキケンと「ナカムラ」の後日譚が『長崎オランダ村』である。『長崎オランダ村』によると、あれ以来「ウンコのナカムラです」と自己紹介すると話が早くなったそうで、「確かに校長室の机にウンコする人間に悪人はいなさそうな気がする」みたいな文章に大笑いしたものである。

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