新山祐介さんが、構造化プログラミングの提唱者などとして知られるエドガー・ダイクストラの ACM チューリング賞受賞講演「謙虚なるプログラマ (The Humble Programmer)」の翻訳を公開している。
プログラマという職業が存在しなかった50年代の話から始まり(プログラマなんて職業はない、とアムステルダムの市役所から婚姻届を拒否されたとな)、FORTRAN、LISP、ALGOL 60、PL/1 といったプログラミング言語についてのコメントも面白い。
LISP は冗談まじりに「コンピュータを誤用するための、もっとも知的な方法」と言われることがありますが、私はこれはすばらしい褒め言葉だと思います。なぜならこれはあらゆる種類の自由を可能にしているからです。 LISP は私たち人類のうちもっとも才能ある人々が、それまでは不可能だったような方法で思考することを支援してきました。
他にも以下のような示唆的な発言がいろいろ述べられている。
プログラミングの難しさというものを、現在私たちが使っているツールの不備のせいであると考え、より優れたツールがひとたび開発されれば、プログラミングはもはや問題ではないと考える人々がいますが、プログラミングは依然として非常に難しい問題でありつづけるでしょう。なぜなら、私たちがこうした偶発的な不便さから解き放たれれば、私たちはその後よりいっそう現在のプログラミング能力を超えた問題に向かうだろうからです。