- 出版社/メーカー: ブエナ ビスタ ホーム エンターテイメント
- 発売日: 2007/09/19
- メディア: DVD
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『ムーンライズ・キングダム』が良かったので、ウェス・アンダーソンの映画を借りてみた。
完全なるウェス・アンダーソンの箱庭的世界だった。画面は強力にカラーコーディネートされ、登場人物は一人ひとりに追わされた物語にがっちり縛られる。
もちろんそれを窮屈ととる人もいるだろう。役者の中でもベン・スティラーなどは明らかに損している感じ。その中で貫禄十分に自分勝手な父親を自在に演じているジーン・ハックマンはさすが名優だ。思えば、彼はこれに出て数年後に俳優業を引退しており、彼にとって最後の名作と言える。
そんな強力に制御された作品を観ながら、不思議なことにワタシの頭に浮かんだのは、「真実などない。すべては許されている」という言葉だったりする。そういう映画だ。
ウェス・アンダーソンというと映画の中での音楽の使い方もよく言及されるが、本作もニコ、ポール・サイモン、ニック・ドレイク、エリオット・スミスなど素晴らしいですね。最後にヴァン・モリソンの "Everyone" が鳴り出したときはちょっと泣きそうになった。