- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- 発売日: 2013/10/02
- メディア: Blu-ray
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これも「多くの大作よりもずっと面白い低予算映画25選」で知った映画である。
本作は一言でいえば贖罪の映画である。
突然空にあらわれたもう一つの地球に気をとられ、主人公は交通事故を起こしてしまうのだが、相手の家族を死なせてしまい、おまけに飲酒運転。ええとこの大学に入って怖いものなしのつもりな主人公の人生は暗転してしまう。
出所後、主人公が家族を死なせてしまった音楽家の男性を身元を偽って訪ねるのだが、この男性どこかで見たことある顔だよなーと思いながら思い出せなかったのだが、『LOST』のイーサンの人だった。
本作は、主人公の弟のちょっとした所作、彼女と一緒に働く老人の男性が彼女と同じく罪人であることを示唆する場面など抑制が効いた演出がよくできていたと思う。
本作が贖罪の映画であることは分かる。しかし、それと空にあらわれたもう一つの地球はどうつながる? これが不安だったのだが、これについては不満を持つ人もいるだろう。本作を SF としてみた場合、いろいろ穴をつきたくなる人もいるだろう。そしてその穴は本作の設定の根幹に関わる。
しかし、ワタシは本作を支持する。これこそセンス・オブ・ワンダーではないか。もう一つの地球と交信する女性が、自分が話している相手が誰かに気付いたとき、彼女とともにワタシも泣いた。何より物語後半になるにつれ、どんどん大きさを増していく美しい球体のイメージが印象的だった。
本作を先に観ていたら、「SF映画ベストテン」のリストは変わっていたかもしれない(ついこないだ同じことを書いたばかりだぞ!)。宇宙を逃避先とみるという点で、『ガタカ』にもちょっとだけ通じるところがある。
そんな簡単に罪は償えるものではないし、最後に主人公がとった行動も、そんな簡単に選手交替できるわけないだろがと言ってしまえば終わりだが、作品自体セカイ系みたいな感じで終わらなくてよかったと思う。そしてエンディングには、主人公と同じくワタシも息をのんだ。