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アメリカン・ハッスル

機内放送で観た『世界にひとつのプレイブック』デヴィッド・O・ラッセル監督の新作ということで映画館に行って来たが、これはよかった!

冒頭、いきなりクリスチャン・ベールが太鼓腹+ハゲを晒してギョッとさせられる。ベールは確か『ファイター』でも役柄に自分を近づけるアプローチをとっているが、ワタシは個人的にはそういうのを手放しに称賛するのは仮装大賞じゃあるまいしどうかとずっと思っている……のだけど、彼だけでなくその公私のパートナーを演じるあるひたすらノーブラなエイミー・アダムス、FBI 捜査官を演じるまさかのパンチパーマなブラッドレイ・クーパー、そしてベールの妻を演じる20代前半なのに中年女の質感をこってり出しているジェニファー・ローレンスをみてると、正直ワタシのポリシーなどどうでもよくなってくるところも確かである。

確かに目に臆病さが見え隠れするベールをはじめ、主要キャストの演技がよかった。デヴィッド・O・ラッセルという人は、やたら役者と揉める問題者というイメージが強いが、近作では彼の映画からアカデミー賞の演技賞にノミネートされる人が多く、不思議な感じがする。前作に続きクーパーが、自分の感情をどうにも抑えきれないラッセルを思わせる登場人物を演じてますな。

映画は金玉を握られてしまった詐欺師カップルが FBI への協力を余儀なくされるが、話がジェレミー・レナー演じる市長をはじめ政治家、しまいにはロバート・デ・ニーロ演じるマフィア方面まで巻き込むほど話がでかくなり、果たして最後に笑うのは誰かというストーリーで、最後までスリルが続くのだが、不必要な銃のドンパチがなかったのは心臓によくて個人的にはありがたかった。

作品的には70年代後半が舞台で、60年代〜70年代の楽曲がビシバシ使われていて盛り上がる(トッド・ラングレンの "I Saw The Light" が良かったね)。映画が扱う年代は違うが、その点スコセッシの『グッドフェローズ』にも少し近い感触があった。前作でも思ったが、ジェニファー・ローレンスって個人的にはほとんど美を感じさせない女優さんだが、彼女が "Live and Let Die" を歌うところはあからさますぎ、やりすぎだと思った。

とても満足いく映画だったが、最後にちょっと書いておきたいことがある。町山智浩さんが「たまむすび」でこの映画についてネタバレを喋るのを聞いてしまい、事前に大いに興が削がれた。こういうのはカンベンしていただきたい。本人は「これはネタバレではないと思う」とか言っていたが、「この映画は最後になって――」「これと同じ映画にアカデミー賞作品賞を受賞した――」って、これがネタバレじゃなきゃ何がネタバレなんだよ、ボケ。

ワタシは町山さんのファンだが、こういうのがイヤなの(が一因)で Twitter はフォローしていない。これまでもネタバレを喋るのを察知してポッドキャストを止めたことが数回あったが、このときは風邪をひいていたため、うっかり聞いてしまった。今回は頭に来た。

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