- 出版社/メーカー: Warner Home Video
- 発売日: 2011
- メディア: Blu-ray
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アメリカンニューシネマ以降の二大巨頭であったアル・パチーノとロバート・デ・ニーロが初めて本格的に共演する! と話題になったが、公開されると、これ本当に共演してるのか? という疑いまで出た映画というのは知っていたが、今まで観てなかった。
本作については、クリストファー・ノーランが『ダークナイト』を撮る際に参考にしたことが伝えられているが、本作はそれも納得の厚みのある映画だった。『ダークナイト』の冒頭の銀行強盗のシーンで、唯一そこにいた人間でウィリアム・フィクナーがちょっといい役をやっていたが、あれは本作へのオマージュなんだね。
マイケル・マンという人は、作品のディテールのリアリティにこだわる人というイメージがあり、本作についても銃撃音は本物の音を使ってるとのことで、それは本作に迫力を加えているが、一方で特に初期は、妙に省略しすぎでよく分からん作品になる人というのがあった。
本作の場合、3時間近くの長さなのでそれがなく、強盗団の家族にいたるまでちゃんと描かれている。のだが、最初に書いた「本当に共演してるのか?」疑惑が出る妙な抜け具合もマンらしい、と書くと怒られるか。言っとくけど、ちゃんと共演はしている。しかし、なんであえてそれを疑われるようなカメラワークにこだわったんだろう?
本作ではパチーノが興奮から逃れられない刑事役、デ・ニーロがプロ意識の高い泥棒役で、前者の刑事役、後者のアウトロー役もそれこそいくつも観てきた。パチーノの野性味を失わない感じなどいかにもらしいが、一方で若い頃やってた感じがそのまま歳をとった、という風でない余裕が感じられる。