Wikipedia の共同創始者のジミー・ウェールズが、WT:Social というソーシャルネットワークサービスを立ち上げている。
今さら SNS を始めるからには、既存のサービスと違いがあるはずで、それはやはりビジネスモデルになる。Facebook などと違い、広告モデルに依存しない、というか広告自体を入れない方針を謳っている。しかし、広告なしでどうやって運営できるのか? Wikipedia と同じく寄付に頼るとのこと。
記事を読むと、これはジミー・ウェールズが一昨年フェイクニュース打倒を目指して立ち上げたクラウドファンディングのニュースサイト WikiTribune のスピンオフといえるプロジェクトのようだ。
Wikipedia の現在の成功にジミー・ウェールズという人が果たした役割はもちろんとても大きなものがあると思うが、その後は Google に対抗する検索エンジンをぶちあげたが失敗に終わるなど失敗も少なくない。ソーシャルネットワークというと10年以上前には Wikia でそちら方面に色気を見せたこともあり、ニュース分野と合わせてずっと進出したい分野だったのかもしれない。
サイトは先月から始まっているようで、既におよそ5万ユーザを集め、入会待ちが2万8人いるらしいが、当然ながら既存のビッグプレイヤーの足元にも及ばない。果たして本当にまともな競争相手になれるかというと難しいだろう。
ワタシが知る限り日本語圏で唯一このニュースを報じている Financial Times の記事の邦訳に、「当然、私が望んでいるのは5万人でも50万人でもなく、5000万人、5億人だ」というウェールズの強気な発言が引用されているが、前述の Wikipedia 後のお世辞にも成功していないプロジェクトを見ると、本当かねと思ってしまう。
ネタ元は Slashdot。
Wikipediaをつくったジミー・ウェールズ (時代をきりひらくIT企業と創設者たち)
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