作家ゴア・ヴィダルが先週死去した。ゴアと聞いて、アル・ゴアが死んだと早とちりした人も結構いたようだが、アメリカを代表する作家である。彼の場合、Wikipedia 日本語版ページがしっかりしていて、彼の作品を好きな人が書いたのだろう。
ガーディアンが彼の名言を26個紹介しているのだが、さすが機知にとんだ作家、(本人の意図はともかく)エッセイストとして高く評価されたのがよく分かるピリッとくる文章ばかりである。
「自分が成功するだけでは十分じゃない。他人が失敗しないといけない」「嫉妬こそアメリカ人の人生の中心にある」「友達が成功するのは、わずかの間死ぬことだ(『長いお別れ』風に訳してみた)」とかいいね。誰だよ、日本人はアメリカ人と違って他人を足を引っ張る云々とか言うのは。
「アンディ・ウォーホルは、私が知る限り唯一のIQが60の天才だ」には笑った。
「国民の50%は投票しないし、50%は新聞を読まない。私としては、それが同じ50%であることを願うよ」など政治に関する名言も多い人である。
「セックス。それには何もできることはない。セックスは道を作ることも小説を書くこともなく、人生にセックスそのもの以外に何の意味も持たない」
ちょっとうまく訳せなかったが、ワタシがゴア・ヴィダルの名前を知ったのは、最低映画館で彼の小説の映画化『マイラ』についての文章を読んだときで、この映画を観たいと思ったものである。
訃報を契機に検索してみたら、ちゃんと日本でも DVD 化されているのを知ったので、早速レンタルすることにした。かの淀川長治さんも絶賛してたとのことで(その理由は大体想像できるが)、ともかく楽しみである。
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- 発売日: 2011/04/22
- メディア: DVD
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