シンコーミュージックの雑誌「クロスビート」が休刊とのことだが、ワタシ自身は当然本屋で手に取ったことは何度もあるものの、買ったことは一度もなかったため(「ミュージック・ライフ」はさすがに80年代何度かある)、特に感慨はない。
一度も購入しなかった理由は単純で、ロック問はず語りで書くように、1989年から2004年まで雑誌「rockin' on」の読者だったからで、またワタシはケチなため、月に二冊もロック雑誌を買うなんて考えられなかった。
なのに宇野維正の文章を取り上げたのは、彼自身90年代ロキノンの編集者であり(いずれ彼の文章も「ロック問はず語り」で取り上げようかしら)、ロキノン側から見た「クロスビート」というのが分かりやすく、また当時のワタシ自身の見方にも近いからである。そして、この文章では「ロッキング・オン」の変化についても触れている。
興味深いのは、90年代まで『クロスビート』をまったくライバル視していなかった『ロッキング・オン』が、00年代に入ってからまるで『クロスビート』を後追いするように回顧企画やオールタイムベスト企画を連発し、これまで頑なにやってこなかった年間ベストもやるようになり、特集内にディスコグラフィー的なページまで作るようになったことだ。表紙にするミュージシャンのオールドロック率にいたっては、近年では『クロスビート』を超える勢いだった。もし「商業誌としての洋楽誌」に正解が一つしかないとするなら、結果として『クロスビート』は『ロッキング・オン』の先取りをしていたことになる。
(2ページ目)そして、メタルと老人が残った ーー洋楽誌『クロスビート』休刊に寄せて - Real Sound|リアルサウンド
この変化が顕著になる頃にはワタシは「ロッキング・オン」の読者でなくなったのだが、ワタシのようなロックジジ専が書くのもなんだが「表紙にするミュージシャンのオールドロック率」はちょっとひどいものがある。
フェスでは儲かっているので会社自体はともかく、このままではいずれ雑誌「ロッキング・オン」がなくなる日が来るのを覚悟しないといけないのかもしれない。
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