まさか NHK でモンティ・パイソンの話題が報じられるとは思わなかったな。
しかし、どこも「再結成」としているが、別に解散宣言を出していたわけでなし、存命のメンバーが一同に介する機会も何度もあったわけで、「再結集」のほうが正しいと思うのだが。
正直俄かに信じがたい思いだったが(だって、最初に伝えたのが The Sun だったし……)、テリー・ジョーンズが BBC に「我々はまた一緒に一回ショーをやる――本当だよ」と認めたし、エリック・アイドルのツイートを見ても、間違いないようだ。
今回の「再結集」は30年ぶりと言われるが、映画『人生狂騒曲』以来ということか。
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これ以降では、スティーヴ・マーティンが司会をした1989年のパイソン結成20周年記念番組 Parrot Sketch Not Included - 20 Years of Monty Python の一番最後にメンバー6人が映り、「再結成するか」という台詞もあるのだが、その直後(この番組がイギリスで放映される前日)グレアム・チャップマンが死去してしまう。
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再結集に一番近づいたのは、結成30周年記念のときで、前年の Monty Python Live at Aspen でメンバー全員が揃い(グレアムは遺灰で登場)、そこでエリックが「30周年記念に「何か」やりたい」と宣言し、期待が高まった。
実際、結成30周年記念番組 Python Night - 30 Years of Monty Python において少しだけどメンバーが出演する新作スケッチもあったのでこれがそれかと思ったものだが、このとき一番再結集に熱心だったエリックが意図した規模ではなかった。
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そのときのことを結成40周年記念ドキュメンタリー Monty Python: Almost the Truth (Lawyers Cut) でエリックが語っていたが、最終的に再結集を拒絶したのはマイケル・ペイリンだったとのこと。
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マイケルが自身の旅行番組を優先したことにエリックはひどく腹を立てたらしいが、かつて『空飛ぶモンティ・パイソン』において番組存続に最後までこだわったのがマイケルとテリジョンだったことを思うと、変われば変わるものである。
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これはマイケルがコメディアンというより旅行番組のプレゼンターとして絶大な人気を確立していたのに対し、エリックが当時キャリアがパッとしなかったのも影響していたと思うが、そのあたりは2000年代になり『スパマロット』の大成功で払拭されたはずだ。
逆に言うと、もはや再結集にこだわるメンバーもいないということであり、今回の話はさすがに驚いた。今度はマイケルも拒絶はしないようだ。いや、これまでパイソンズで一番の成功者だったはずなのに三番目の妻への膨大な慰謝料を抱えるジョン・クリーズ先生には大きな話かもしれないが、これは邪推だ。
過去エリックとジョンの不仲が伝えられたが、それも少し前に和解があったようで、この秋メンバーがほぼ一同に介した機会に再結集話でも出たのか。
パイソンの歴史を辿る決定的ドキュメンタリー Almost the Truth (Lawyers Cut) において、パイソンは過去のものでありもう語りつくしたという気配がメンバー全員にあり、何よりもうみんな70代である。今更ご老体に最先端の笑いを期待するほどコメディー界も人材不足ではなかろう。ただ、15年来のファンである(でしかない、とも言える)ワタシとしてはモンティ・パイソンの舞台をもう一度観ることができれば、もうそれで思い残すことはない。
それにしても映画『モンティ・パイソン ある嘘つきの物語 〜グレアム・チャップマン自伝〜』はちょうどよい時期に公開されて関係者も大喜びだろうし、そういえば「映画秘宝」2014年1月号にも「It’s『モンティ・パイソン』快感ギャグまつり!!」があるということで、これも結果的にグッドタイミングであった。
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