ブレイディみかこさんの文章はこないだも取り上げたばかりだが、来月新刊が出るんだね。
ザ・レフト─UK左翼セレブ列伝 (ele-king books)
- 作者: ブレイディみかこ
- 出版社/メーカー: Pヴァイン
- 発売日: 2014/12/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ブレイディみかこさんの本となると『アナキズム・イン・ザ・UK −壊れた英国とパンク保育士奮闘記』以来だからもう一年になるのか。
英国ではどうか知らないが、今の日本では自分がレフトであることを表明するのが難しい時代である。少し前に「なぜ、サヨク・リベラルは人気がないのか…社会心理学で原因が判明!?」という文章を読んだが、賛同するところもそこそこあるのに、この文章自体なんでサヨクやリベラルが嫌われるのかよいサンプルになってしまっていて、なんだかなと思ったものである。
ブレイディみかこさんもまぎれもなく左翼に属する人だと思うが、彼女の文章を読んでも、例えば上の文章を読んだときのような嫌な感じがすることがない。
この新刊を読んで今一度その理由を考えることになるだろうが、まず連想したのは以下の彼女の文章だったりする。
政治というものは、本来、この「打たれるもの」がコアにあるべきではないのか。
アナキズム・イン・ザ・UK 第19回:ウヨクとモリッシーとサヨク | ele-king
それは古い言葉で言えば「思想」でもいいし、「社会は、そして人間はこうあったほうがクールだ」という個人的な美意識でもいい。
「弱者が可哀そう」とかいうヒューマニズムばかり強調しているから左翼はダメになったという定説がある。が、わたしは全くそうは思わない。寧ろ真逆で、誰もポリシーの根本にある揺るがぬもの、妥協など入る余地のない美意識を語らなくなったから政治は人を動かすことができなくなったのだ。