この話題が日本ではあまり話題になってないようなのが気になるのだが、SXSW やコーチェラやピッチフォークやボナルーといった世界的に知られる40もの音楽フェスが、顔認識技術を採用しないことを誓っている。
AI(人工知能)の進歩などあり、顔認識技術が実用化されているのはご存知の通りである。確かに顔認識技術には大きなメリットがあるが、一方でプライバシー侵害の懸念があり、また現行の顔認識技術に人種的なバイアスがある話も知られている。
犯罪防止などメリットがあるはずの音楽フェスが率先してその不採用を誓約するのには上記の理由もあるだろうし、何より日常から離れた楽しみであるはずの音楽フェスが率先してジョージ・オーウェルを連想させる監視社会化に手を貸しちゃいかんだろうというという意思があるのではないか。
フェス全般における顔認識技術の利用については BanFacialRecognition.com にまとまっており、その使用(可能性)/不使用が一望できるのがすごい。メジャーなイベントでは、バーニングマンが使ってるかもというのは意外だった。
このサイトには日本の音楽フェスの情報はないが、フジロックやサマソニはどうなんでしょうね。
この問題について、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンなどのギタリストとして知られるトム・モレロが Buzzfeed に論説記事を書いているのだが(なんで邦訳が出ないのよ!)、彼も顔認識技術の音楽フェスにおける採用に断固反対の立場である。
さらに書けば、この問題は当然ながら音楽フェスに限定されるものではなく、職場で顔認識技術が使われるようになれば、雇用者は従業員の表情の変化からその監視を強めることができるという New York Times の論説記事を受け、コリィ・ドクトロウは我々はあらゆる場での顔認識技術の利用を禁止すべきと気勢を上げている。
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