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ギャビン・ウッドの「ĐApps:Web 3.0はどんなものか」を訳した

Technical KnockoutĐApps:Web 3.0はどんなものかを追加。Gavin Wood の文章の日本語訳です。

注記している通り、これは2014年4月、つまりおよそ8年前の文章である。なんでそんな古い文章を訳したのか?

www.neweconomy.jp

少し前に Web3 Conference Tokyo なるものが開催されたらしく、もちろんワタシは参加していないのだが、Ethereum の共同創設者であるヴィタリク・ブテリンへのインタビューが記事になっており、その中で「Web3.0というワード自体、ギャビン・ウッドが2014か15年に提唱し始めたものです」と語っている。

そうそう、やはり Ethereum の共同創設者であるギャビン・ウッドがこのワードを提唱した文章について、星暁雄さんも触れていたなと思い当たり、既訳があるに違いないが、ざっと探した感じ見つけることができなかったので、訳してみようと思った次第である。

何しろ文章の翻訳というもの自体かなり久しぶりにやるので至らないところもあるだろう。誤記誤訳を見つけたらメールやコメントなりで教えてください。

2022年現在、この文章にどれくらい現代的価値が残っているかは分からないが、これは個人的な取り組みとしてやったものである。拙著『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』において、最終的に Decentralized Web というコンセプトに行きついたところがある。

しかし、これに収録した文章を連載していた当時、ギャビン・ウッドの文章は不勉強で読んでなかった。今一度このあたりに立ち返って辿ってみようと思ったわけである。今読み直すと、真っ先に言及されるのがエドワード・スノーデンだったり、昨今のバズワードとしての盛り上がりとは別のところへの関心が分かって興味深い。が、再度書くようにこの文章にどれくらい現代的価値が残っているかは分からない。

yamdas.hatenablog.com

Web 3.0(Web3)界隈について既に取り上げているが、相変わらず騒々しいというか、Web3、NFT、メタバースバズワード三題噺といった趣である。Coral Capital がまとめた三部作が参考になろう。

ただワタシ自身はだんだんとこの言葉に懐疑的になりつつあり、むしろ Web3 が分散どころか中央集権に加担しているじゃないかというスコット・ギャロウェイの視座を現状否定できないと思うし、界隈の一部の VC(というか、はっきり言えば a16z)の悪目立ちぶりに嫌悪感を禁じ得ない。

www.fastcompany.com

そうした意味でティム・オライリーの穏当な懐疑的な視座がしっくりくるというところが正直なところ。

ただ最初にリンクしたヴィタリク・ブテリンのインタビューを読んでも分かるが、スケーラビリティの向上などの課題は認識されており、「Proof of Stake」への移行などがどの程度うまくいくかなど情報は追っていくつもりである。

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