テリー・ギリアムが自宅で映画監督としてのキャリアを振り返るインタビューを受けている。彼は Umbria Film Festival のプレジデントを務めているが、インディペンデント映画と実験映画の映画祭の要職(本人曰く、顔見世パンダのようだが)なのが彼らしい。
彼が『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル』でテリー・ジョーンズと共同監督して50年になるが、レッド・ツェッペリンやピンク・フロイドの(節税目的の)資金援助の話もしている。
ジョージ・ハリスン、ロバート・デ・ニーロ、トム・クルーズ、ロビン・ウィリアムス、ブルース・ウィリス、ブラッド・ピットなど(トム・クルーズ以外)彼の映画で関わった人について率直に語っているが、ヒース・レジャーについて、何が彼を俳優として特別なものにしていたのかと聞かれ、以下のように語っている。
彼の人間としての深さ。この男は本当に非凡だった。彼は27歳だったが、何か深いものがあったから、時に50歳の男と話しているように思えたものだ。彼の人との関係は素晴らしかった。彼は不思議な磁石のような存在だった。モニカ・ベルッチがメイク室に現れたとき、そこに彼とマット(・デーモン)の写真が飾られていた。大きな写真じゃなかったのに、そこでも彼は磁石のようだった。彼女は写真のヒースに引きつけられたんだ。写真ですらそうだったんだ。説明するのは本当に難しいけど、みんな同じ反応だった。ヒースについて悪い話を聞いたことがない。彼は誰に対してもオープンだった。可笑しくて、賢く、知恵があった。だから彼は57歳で亡くなったんだ。27歳じゃなくね。
ヒース・レジャーが死んだのは実際には28歳なのだが、それはともかく、彼は『The Carnival at the End of Days』という新作を手がけており、今年撮影に入っている。ジョニー・デップ、ジェフ・ブリッジス、アダム・ドライバー、ジェイソン・モモアとは豪華キャストやね。このインタビューによるとトム・ウェイツも出ているとのこと。
しかし、メインキャスト4人が非常に多忙なため同時に仕事を進めることができず、「現在は宙に浮いた状態」とのことで、『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』完成までの苦闘を知る人間としては祈りたくなってしまう。彼も今年85歳になるしね。
映画の内容は、「過去数年間、私が何度かキャンセルされたことへの反応」とのことで、そのあたりこのインタビューのタイトルである「ハリウッドは近頃ひどく臆病になっている」につながるのだろう。