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Maria Mckee "Maria Mckee"

CDジャケット

本作リリース当時(1989年)、レコード屋でアナログ盤のジャケットを前にし、その美しさに深いため息をついたのを今でも生々しく覚えている。ため息をもらすほど美しいアルバムジャケットというと、個人的には(位相は違うが)Roxy Music『Avalon』と双璧をなすものである(CDだと特にそうは思わないかもしれないが、アナログ盤のサイズだとかなりくるのである)。

本作は、彼女がフロントウーマンを務めたローン・ジャスティスの解散後、はじめてソロ名義で発表したアルバムである(ここで、トリビア。このバンドのギタリストは、ピーター・バラカン実弟)。ローン・ジャスティスのときよりも落ち着いた、よりアコースティックな作風になっており、地味には違いないが、じっくり聴ける作品になっている。

ジャニス・ジョプリンの再来」と言われ、レコード制作に豪華な面子をゲストに迎え、ゲフィンが金をかけてプロモーションしたバンド時代にしても、また本作以降のソロにしても、彼女はどうもスターダムの座を逃し続けたという印象がある。作風がその時々で微妙に時流にマッチしなかったようで、初期のパワフルなボーカルスタイル、一貫したルーツミュージック志向も、少しタイミングが合えば商業的な成功に結びついたろうになと少し残念に思う。だってこんなに美しいのに。

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