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ゾンビ ディレクターズカット完全版

DVD だと米国劇場公開版しかなかったのでそちらにアサマシしておくが、ワタシが観たのはディレクターズカットのほう。

DVD のジャケットにも使われているエレベーターが開くと一斉にゾンビがなだれこんでくる場面をまだ物心つくかつかない頃にテレビ CM で見てトラウマになった映画であるが、本編を観たのは大昔で筋も何も忘れている。ロメロ御大の復活作『ランド・オブ・ザ・デッド』の日本での公開前に観ておこうと思った次第である。

上でも少し触れたが、本作はロメロによるディレクターズカットとダリオ・アルジェントによるバージョンでは別物で、ワタシもレンタル屋でどちらを借りようか悩んだのだが、ディレクターズカットのほうが長いというので貧乏人根性でこちらにした。

結論としては、とことん素晴らしい映画だった。途中の主人公達の日常描写は明らかに冗長だったが、それでも百点満点の映画である。

ロメロによるゾンビサーガ(笑)は、1968年の『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』に始まるわけだが、やはりゾンビ(=リビング・デッド)の造形が明確になったのは本作だと思う。

明らかに低予算の映画であるが、本当にこの映画の独創性が後のホラー映画に及ぼした偉大さが今見てもびんびん伝わる。本作については「ショッピングモールは現代人の消費社会とその孤独」云々とその意味性が語られたりするが、理由付け抜きに物語がはじまるところから映画として何よりストイックなところが肝なのだと思った。一貫して感じる醒めた感覚と適度なユーモアがリアルに感じられた。

本作を観て面白く思ったのは、変な表現になるが意外に主人公達が「やられない」ところで、その感覚は図らずもゲーム「バイオハザード」に受け継がれているのではないか。あのゲームって、なかなか死なないじゃない。

あと冒頭のテレビ局の場面で左側に写っているディレクター風の男はロメロ本人じゃない?

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