先日カーラジオから年季の入った声で歌われるオアシスの "Wonderwall" が流れてきて、ああ、これが例のポール・アンカによるカバーかと思ったらその通りだった。
- アーティスト: Paul Anka
- 出版社/メーカー: Verve
- 発売日: 2005/06/07
- メディア: CD
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新しい酒を古い袋に盛るの反対で、年配者が若い人の曲を歌うという企画もこれまでいくつかあるが、例えばパット・ブーンのような弾け方よりもこちらのほうがしっくるのはワタシ自身年をとったせいか。
さて、ワタシ的にはポール・アンカの名前を聞くと何故か反射的に壇一雄が浮かぶ。好きな小説である壇一雄の『火宅の人』に彼の名前が登場するからなのだろうが、以下、『火宅の人』上巻(新潮文庫)156ページより引用。
「ポール・アンカを見てたのよ。ほんとに、一さんも一緒に連れて行けばよかったわ。ファンがテープを投げるでしょう。それを拾って歌うんだわ。ちょっと興奮するのよ。一さんも、時々のぞきに行かないと、時代ズレしちゃうから……」
これは昭和30年代前半の描写である(書かれたのは昭和30年代後半か)。つまり40年以上前の話なのである。なんかクラクラくる。
来年は壇一雄の没後30年になる。ふはー。