Discreet Blog で、IBM の CM に Kinks の "I'm not like everybody else" が使われているのを今更知る。
おおっ、本当だ!
マニアックな選曲が素敵だ。ワタシも Iwata さん同様、これで日本でも少しは Kinks の CD が売れてレイモンド・ダグラス・デイヴィスさんに印税がいくとよいなと思う。
ファンがそう痛切に思うほど、キンクスというバンドは与えられてしかるべき栄光を与えられず、不当としか言いようのない扱いを受け続けた苦闘の泣き笑いの道を歩み続けた不倒のロックバンドで、彼らについてならいくらでも文章が書けるが、うざがられる前に一枚だけオススメのディスクを紹介しておく。
アルバムとしての最高傑作は、Iwata さんが挙げる Village Green Preservation Society なのだろうが、ワタシのオススメはライブ盤『One For The Road』である。
- アーティスト: Kinks
- 出版社/メーカー: Velvel Records
- 発売日: 2004/09/07
- メディア: CD
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一般に知られる "You Really Got Me" に代表されるパワフルなロックンロールから疲労と皮肉とメランコリーに満ちた独特のキンキーサウンドに移行していくパイ時代、ソープオペラなど唯我独尊の作品とともにセールスを降下させた RCA 時代をこよなく愛し、その反動でシンプルなロックサウンドに回帰したアリスタ時代を蔑視するキンキーマニアは多いが、ワタシはその見方に与しない。
何よりレイ・デイヴィスをはじめとしてバンド全体が活気を取り戻しているし、実際彼らのアメリカ志向はレコードセールスに結実した。『One For The Road』は、そうした彼らに遅くして訪れた夏を捕らえたライブ盤である。代表曲は大方入っているので、入門盤としても最適。