エルヴィス・コステロとザ・ルーツの共演作については以前取り上げたが、両者の貴重なライブがブルックリンで実現した模様。
これが実に豪華かつディープな演奏でとてもよかった。
- アーティスト:Elvis Costello & The Roots
- 発売日: 2013/09/17
- メディア: CD
一方で現在の円熟からは想像もつかないおよそ35年前に若きコステロが起こした事件の話。
1977年にかの「サタデイ・ナイト・ライブ」(以下、SNL)に、渡米できなかったセックス・ピストルズ(!)の代わりにアメリカでレコードデビュー前に出演するという好機を得たにも関わらず、実に落ち着きのない様子で、演奏始めた "Less Than Zero"(ブレット・イーストン・エリスのデビュー作にそのままタイトルが使われているのでご存知の人も多いだろう)をすぐに止めてしまい、"Radio Radio" に変えてしまう(動画はリンク先でどうぞ)。
この曲がメディア批判を含むため、SNL のプロデューサーのローン・マイケルズは激怒し、コステロの演奏中、彼に向かって中指を立てたままだったとか(SNL は生放送なので止められない)。
コステロのデビューは鮮烈だったと聞くが、本人にしてみれば自身の才能への自負と現実の認知の齟齬に激しく苛立っており、初来日時もレコード会社に「明日までに○万枚レコードを売れ」と無理難題をねじ込んだ挙句、銀座だかでなぜか学ラン姿で路上ゲリラライブを敢行し、しょっぴかれるという若気の至りをやらかしていたはず。
この事件のためコステロは10年以上 SNL に出禁状態だったが、後にマイケルズと和解し、1989年にようやく出演を果たす。面白いのは1999年の SNL 25周年記念番組でビースティー・ボーイズとともに1977年の事件をパロディーにしていること。
This Year's Model (Dig) (Spkg)
- アーティスト:Costello, Elvis
- 発売日: 2007/05/01
- メディア: CD