- 発売日: 2021/05/15
- メディア: Blu-ray
2021年、最初の劇場での映画鑑賞はこの作品から。果たして今年は何本映画館で観れるのやら……。
『新感染 ファイナル・エクスプレス』が2017年に観た映画の中でも際立って良かったので、続編の本作も楽しみだった。が、あまり評判が良くないようで、事前に期待値を下げて観たのだけど、それくらいでちょうど良い映画だった。
本作は『新感染 ファイナル・エクスプレス』の朝鮮半島に(走る)ゾンビ大量発生という設定を当然ながら継承しているが、前作を傑作たらしめた美点がほぼすべて失われてしまっている。前作のゾンビは明らかに北朝鮮の侵略のメタファーだったが、前作にあったセウォル号沈没事故など韓国社会のトラウマを盛り込んだ批評性も皆無である。
とはいえ、明らかに『マッドマックス』なポストアポカリプス世界となった朝鮮半島を舞台にして、「ゾンビよりも怖いのは人間」というゾンビものの基本を騒々しく描いており、カーチェイスやガンファイトを強調したアクション映画として観れば、その作りには明らかにお金がかかっており、まぁ、楽しめた。
でも、ラストはいくらなんでもご都合主義というか、あの状況から助かるわけないだろうがとしか思えなくて、家族の絆とやらの感動を押し売りされて鼻白むとはこのことである。