Technical Knockout に ロールプレイングゲームとしてのウィキペディア、もしくは一部の大学人がウィキペディアを好きではない理由を追加。Dariusz Jemielniak の文章の日本語訳です。
昨年末に紹介した Wikipedia @ 20 だが、せっかく CC BY 4.0 で公開されているので、試しにその第10章を翻訳してみた次第である。
翻訳というもの自体けっこう久しぶりにやったためか、思ったよりも時間がかかってしまった(もう「翻訳者」とは名乗れないか)。誤記誤訳など気づいた方はメールやコメントなりでお知らせください。
今日この翻訳を公開したのは、まさに今日、2021年1月15日がウィキペディア誕生20周年だからというのもあるが、それだけではない。ワタシが知らないだけで既に話が進んでいるのならいいのだけど、そうでなければこれを機に Wikipedia @ 20 の翻訳プロジェクトをどなたか立ち上げてくれないかという期待もあってのことである。
あいにくワタシにはそうしたプロジェクトを主導する馬力がもう残っていないが、せっかく自由に翻訳を公開できるライセンスなのだから、できればウィキペディアに精通した方が立ち上がってくれないかと思った次第である。そこでこの訳文を好きに使ってくれてかまわない。
そうそう、前回のエントリを書いたときは気づかなかったが、「ネットにしか居場所がないということ(前編、後編)」で取り上げたジェイク・オロウィッツ(Jake Orlowitz)も寄稿してるんだね。
さて、少し今回翻訳した文章の周辺情報を書いておく。原著者は Dariusz Jemielniak(Wikipedia)で、彼はポーランドのコズミンスキー大学の教授である。彼は2014年に Common Knowledge?: An Ethnography of Wikipedia(Wikipedia)というウィキペディアをテーマとする本を出している。今回訳した文章を読めば分かることだが、大学人とウィキペディアコミュニティをつなぐ存在と言ってよいだろう。
そして、昨年は The MIT Press Essential Knowledge シリーズの一冊として、Collaborative Society を共著している。この本については公式サイトができているので、詳しい情報はそちらをあたっていただきたい。
さて、なぜ訳文をこのブログではなく、完全 HTML1.0 な本家サイトで公開するのか? 小関悠さんの檄文「2021年だから人類はHTMLを手打ちしろ」に感化されたからである……というのは嘘で、ワタシの過去の仕事など知らない読者も多いだろうから書いておくと、こういう翻訳はすべて本家サイトで公開してきたから、それだけなんです。言っておくけど、完全手書き HTML だぞ。Twitter カードまで手書きだぞ(マジ)。