遂に Python が Excel で使えるようになるというニュースが先週話題となったが、それでワタシが思い出した文章がある。
これは1990年代前半にマイクロソフトで Excel チームのマネージャだったジョエル・スポルスキーが、Excel に Basic(Visual Basic for Applications、VBA)を取り込んだ当時を回想する文章である。残念ながら Joel on Software の翻訳サイトは消滅しているが、Wayback Machine で青木靖さんの訳を読めるよ。
この文章の公開当時、ワタシは「冗談や皮肉抜きで感動的な文章」と書いているが、その感想は今も変わらない。Excel Basic の日付関数にある意図的なバグ(=仕様)の話、500ページもの分量になった Excel Basic の仕様書を一晩で読んできて質問をする「本物のプログラマ」ビル・ゲイツ、彼が四文字言葉を言った回数を数えるF***カウンタの男、どれも今読んでも面白い。
そういえば、速水健朗『1973年に生まれて』の最初に紹介される「X世代」という言葉の生みの親であるダグラス・クープランドは、ジョエルが在籍した当時のマイクロソフトを見事に活写していると絶賛した『マイクロサーフス』の著者でもあった。
今回、この文章を書くために調べてみたところ、Excel には今も「1904年から計算する」オプションが存在するんだな!