ダリル・ホールの Live From Daryl's House の新シリーズのニュースでも目を疑ったロバート・フリップ回だが、これが素晴らしい内容になっていて、ちょっと感動してしまった。
ホール&オーツしか知らないとこの組み合わせに驚くだろうが、実はダリル・ホールの最初のソロアルバム『Sacred Songs』をプロデュースしたのはロバート・フリップなのである。そして、ロバート・フリップの最初のソロアルバム『Exposure』にもダリル・ホールは参加している。
『Sacred Songs』は、当時本格的に売れ出したホール&オーツのイメージ悪化につながると RCA にリリースを数年拒否された不運なアルバムなのだが、今聴くと別に変態的な前衛実験作でもなんでもなく、普通に聴けるモダンなロックアルバムだったりする。それはその中から数曲披露されている今回の Live From Daryl's House を見てもお分かりだろう。
近年のホール&オーツのライブ映像を YouTube などで観ても、正直ダリル・ホールのボーカリストとしての衰えを感じることが多かったのだが、この回の歌声はとても良くて、ロバフリとの40年以上ぶりの共演が良い刺激になったのか(と思いたい)。
しかし、"Red" をフルでやるとはね。このシリーズでこれだけ本格的なインストをやるのは珍しいが、ゲストがロバート・フリップだからね。
それにしても、5年前だってロバート・フリップがこうした番組にゲスト出演するなんてまったく想像すらできなかったわけで、確かに世界は変わったわけである。トーヤさんに改めて感謝か。
ダリル・ホールといえば、トッド・ラングレンとの来日公演が実現したばかりだったりする。この組み合わせは、トッドがホール&オーツのアルバム『War Babies』をプロデュースしたのもあり、ポップミュージシャン、ブルーアイドソウルシンガーとしてトッドをダリル・ホールの師匠格と見てしまうが、実はトッドよりダリル・ホールのほうが年上なのよね。
……と思っていたら、なんなんだそれはというニュースにたじろぐ。「接近禁止命令を申請」って何やってんだか。
しかし、少し前に「ベストヒット USA」のダリル・ホール登場回を見ていたら、ホール&オーツはもういいという口ぶりで、ソロとしての自分をとにかく強調していて、あれはそういうことだったのかと納得したところもある。
ホール&オーツについては昔文章を書いたことがあるが、せっかくロバート・フリップとの共演回を見てよくなった気分をどこにもっていってよいか分からなくなっている。