『デッドプール』、『デッドプール2』とも大好きなので、本作ももちろん公開週にシネコンに出向いて字幕版を鑑賞。本作はサプライズがある映画なので、そのネタバレを中途半端に喰らう前に観れたのはよかった。
本作も十分に楽しませてもらったが、と断ったうえで書かせてもらうが、ワタシの中でライアン・レイノルズに対するとても大きな信頼があり、一方でヒュー・ジャックマンも大好きで、彼の悪口を書くことはない。ただ、その両者が一緒になれば、それだけ面白いものになるわけはないんだな、と当たり前のことを思いながら観ていた。
本作にはバディものとしての面白さが加わっているが、前2作と比べてアクションのキレも毒気も十分ではなかった。
ウルヴァリンの映画の紛れもなく最高傑作である『LOGAN/ローガン』の監督であるジェームズ・マンゴールドが、最近のインタビューでズバリなことを言っている。
「私がIPエンターテインメントの世界でも仕事をしたことがあるというのは妙な話です。複数の映画でユニバースを構築するのが好きではないから」とマンゴールドは述べ、自身の立場を明確にした。「あれはストーリーテリングの敵だと思っています。ストーリーテリングの死です。目の前のストーリーがどう動くかよりも、レゴがどうつながっていくかのほうが、人々にとってはおもしろいということなんでしょう」
『LOGAN/ローガン』のジェームズ・マンゴールド監督、映画のユニバース化は「ストーリーテリングの死」だと語る
以前から書いているが、ワタシは MCU が積極的に嫌いと公言する奇特な人間で、近年やたらと採用される「マルチバース」というアイデアも明確に好きではない。本作はそのあたりに落とし前をつける批評的な映画なのだけど、これもまたやはりマルチバースものなのも確かなのである。
これはデッドプールだけに言えることではないかもしれないが、恋人とかだけでなく守りたいと思う大切な仲間がいる孤独ではないスーパーヒーローっていいよな。