当然本作は先月の公開時に観に行くつもりだったが、職場の飲み会やら旅行やらで、ワタシが映画を観に行く金曜夜が立て続けに潰れてしまい、これは映画館で観れないかと諦めかけたのだが、今月に入って近場のシネコンでレイトショーをやってくれたおかげでなんとか観れた。
しかし、思えばワタシはスーパーマンって、クリストファー・リーヴが演じたものしか映画観てなかったんだよな。ザック・スナイダー、嫌いだし。
さて、観に行くつもりの作品については、できるだけ事前に情報を入れない主義だが、本作については前述の事情もあってどうしても耳に入るものがあり、本作についてはオリジン話はなしと知ってしまっていた。それならどこから話を始めるのかと思ったら、そこからか! という驚きがあった。
正直、ジェームズ・ガンが DC スタジオのトップに就任した頃、マーベルと比較して DC はいったいどう立て直し可能かね? と思っており、彼が『スーパーマン』を手がけると知っても、金看板の再度のリブートは難しいのではないか、コケちゃうんじゃないか、という不安のほうが勝っていたくらい。それが今ではマーベルがあんな有様で、未来は読めないものである。
しかし、なかなかパンチのある「犬映画」なところをはじめ、いかにもガンらしいユーモア、コメディ要素を随所に感じさせながら、見事にヒーロー映画を再生している。
こういう大作の場合、製作期間は何年もかかり、脚本も撮影前に練られるわけだけど、ニコラス・ホルト演じるレックス・ルーサーが傲慢で狡猾なテックオリガルヒをやっていて、中東を描いた映画でないにもかかわらずそこにガザを見てしまうところなど、現実が追い付いてしまったというか、時宜を得てしまった映画になっている。
本作の場合、前述のオリジン話なしによるスーパーマンの成長にともなう盛り上がりがない代わりに、明らかな劣勢から始まるところがうまいというか、彼の超然としたところのないナイーブさ、優しさに応援せずにはおれない作りになっている。
そうした主人公のナイーブさは作品としてのツッコミどころにもつながる。本作にしても、その主人公と同様に欠点はあるのだけど、それをあげつらう気になれない。
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