原作(asin:4041026555)は評判を聞いてカクヨムで読んでいたが、年寄りなもので話をかなり忘れていて、本作を観ていて、なるほど、あれがこう映像化されているのかと思い出すところが多々あった。
白石晃士の映画を観るのは『オカルト』以来だが、モキュメンタリー、フェイクドキュメンタリーを得意とする彼は、本作の監督にぴったりである。
昔に撮影されたテレビ番組やホームビデオ、もっと後に撮られたにニコ生配信の映像などが多く引用されているが、映像の粗さやテロップの出し方などそれぞれの感じがうまくとらえられており、本作への没入を深める仕掛けになっている。
しかし、とにかく怖かったな。正直、あれをどう映像化するんだろうと思うところもあったのだけど、ショッキングな描写も確かにあるが、ジャンプスケアだけに頼ることなく、写るはずのないものが写っちゃってる系の怖さをうまく使っている。
赤楚衛二も菅野美穂も好演しているが、クライマックスはちょっとこんな感じか……となっちゃったところはある。けど、これだけ怖がらせてくれたのだから文句はない。
