カネゴンさんの電話にまつわる昔話が失礼ながら面白くてたまらないわけだが、停電と電話と親の三点セットで思い出した話がある。それは阪神淡路大震災に遭遇したときのときのことで、あの地震の後、当然ながらしばらく停電状態でワタシも呆然としていたところ部屋の電話がなり、心臓が止まるほど驚いた。停電でも電話がつながることをすっぽり忘れていたのだ。
電話は同じ学科の友人からで、要件は今日締め切りのレポート提出はどうなる? ということだった(と思う)。学生やねぇ。でも、今考えるとそんなのワタシに聞いてどうするよという話なのだが、相手も混乱し、そしてそれ以上に不安だったのだろう。
電話を切った後、今度はワタシが誰かに今の状態を伝えたくなり、何を思ったか九州の実家に電話して父親に今の状態を話した。父親も朝の6時前に電話で叩き起こされ、受話器の向こうで興奮気味で地震だ、地震だと息子に騒がれても何がなんだか分からない様子で、さすがにワタシも自分の愚行に気付いて早々に電話を切った。
それからしばらくして起床した父親がテレビを見たらあの惨状、どっひゃーん、これがあいつが言っていた地震か、と慌ててワタシに電話するも既に混線状態に陥っており、なかなか電話がつながらず大層心配したとのことである。
もう十年以上前の話なのか。