- 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
- 発売日: 1998/11/21
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「ウディ・アレンの映画は結局ニューヨーカーでないと分からないんだよね」などとしたり顔で書く人がいる。日本人に。
そうなのかもしれない。例えば、この映画に出てくるような感謝祭には必ず全員が集まるような家族が実際どれくらいいるか分かるかと言われるとワタシなど口ごもるしかない。
しかし、たとえそうでもワタシはウディ・アレンの映画は大好きだし、陳腐な書き方になるがそれはやはり彼の作品が普遍性を獲得しているからだろう。彼のモラルを信用しないところ、言うなれば手段のためになら目的を選ばないところが特に好きだ(逆ではない)。
『ハンナとその姉妹』はその彼の頂点の一つであり、いろいろあっても最後は中流の幸福に戻っていく感覚は、『世界中がアイ・ラヴ・ユー』(asin:B00005HXWL)など後の作品でも反復されることとなる。本作におけるマイケル・ケインの女性観をまったく身勝手と思う人もいるだろうが、ワタシ個人に当てはめて考えるなら、実際あんなものである。
本作を観ていると、同じくウディ・アレンの『ブロードウェイと銃弾』(asin:B00005HXWM)の終わり近くでニヤリとする場面があるのだが、本作と『ブロードウェイと銃弾』の両方でダイアン・ウィーストがアカデミー助演女優賞を獲得しているというのはすごい偶然だね。