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これは村上春樹の翻訳仕事の負の遺産じゃないか?

タイトルは煽り入ってます。

Amazon からのメールでレイモンド・チャンドラーの『レイディ・イン・ザ・レイク』という本が出ることを知る。

レイディ・イン・ザ・レイク―チャンドラー短篇全集〈3〉 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

レイディ・イン・ザ・レイク―チャンドラー短篇全集〈3〉 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

……要は『湖中の女』でしょ?

青山南訳の『路上』あらため『オン・ザ・ロード』が出たときも思ったが、なんなんだこの傾向は。新訳は結構だが、『路上』なり『湖中の女』の題名で知られているのに、それまで新しくする必要はないと思うのだが。しかも揃いも揃って原題カタカナ表記。

広く知られる旧題が明らかな誤訳なのであえて変更というなら分かるが、原題カタカナ表記はそれにはあたらないだろう。

やはりこれは村上春樹の近年の翻訳仕事、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』、『グレート・ギャツビー』、『ロング・グッドバイ』の影響じゃないかしら。

これにも旧訳と新訳が題名だけで区別がつくという利点があり、それが出版社的には嬉しいのだろう。でも、読者として微妙に気持ちが悪いし、この傾向が続くことを良いことだとは思わない。

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