先週話題になった記事であるが、やはりこれは取り上げておきたい。
電子書籍における DRM というお題については、ワタシも今から4年以上前に「電子書籍にDRMは本当に有効か?」という文章を書いている。読んでいただければお分かりのように、タイトルの疑問文への答えは「有効ではない」ということだ。
出版社がDRMさえかければ複製されないと盲信しているだけなら害はなさそうですが、DRMの最大の問題は、それがユーザーの利便性、コンテンツの正当な利用さえも損なうことです。特定の動作環境への依存を強いられ、その技術の恒久的な利用が保証されない問題もあります。
電子書籍にDRMは本当に有効か? « マガジン航[kɔː]
明治図書出版の花田昌之氏のインタビューは、その正当性を裏付けているように思う。これはいちはやく全作品DRMフリーを宣言したMacmillan系出版社の主張と重なる。
ただ一点注意が必要なのだが、明治図書出版が採用しているコンテンツに購入者情報を埋め込むという方式は、ソーシャルDRMと言われる方式であり、厳密には「DRMフリー」とは言えないことである。
この方式は、ワタシもお世話になっている達人出版会も採用しているが、現状妥当なラインだと考えている。