およそ2年前にジェニー・オデルの本を取り上げたときは、「何もしない方法」という奇妙なタイトルの本の邦訳は難しかろうなと正直思っていたが、『何もしない』として早川書房から10月に出るのを知った。木澤佐登志さん推薦とな。ワオ!
『監視資本主義』を引き合いに出すまでもなく、アテンションエコノミーに対する反感がそれだけ高まったのもあるし、インターネットが生活に欠かせないインフラになって久しいが、気が付けばネット全体が残念なノリになってるよねという意識の反映なのかもしれない。
さて、著者のジェニー・オデルは「邦訳の刊行が期待される洋書を紹介しまくることにする(2021年版)」で紹介した新刊も出たばかりだが、こちらはページ数が70ページ程度の薄い本なので、本格的な第二作が出るのはまだ先の話だろう。
少し前にフランスの公共放送に出演して、取り残されることへの不安を指す「FOMO」の向こうを張って、NOMO(The necessity of missing out:見逃すことの必要性)を説いているあたり、さすが「何もしない方法」の著者らしいと思った。