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その仕事が大いに教育的な役割を果たす堀越英美さんの翻訳本がこの秋二冊出る

堀越英美さんというと、ワタシにとっては1973年組の星の一人なのだけど、この秋彼女の翻訳本が二冊出る。

一冊目は、ギタンジャリ・ラオ『STEMで未来は変えられる』

著者のギタンジャリ・ラオ(Gitanjali Rao)については、版元関係のサイトに掲載されているインタビュー記事に詳しい。

「米TIME誌の表紙を飾った15歳の科学者」という謳い文句も目を惹くが、彼女が開発したものを見ると、水中に含まれる鉛探知機にしろ、オピオイド(鎮痛剤)の依存症状の早期診断デバイスにしろ、ネットいじめを防止するために AI を活用したアプリにしろ、いずれも今のアメリカの社会問題を反映したものなのがすごい。

STEM 教育の重要性は以前から言われているが、最低レベルともいわれる日本の STEM 教育の重要性がこの本で認識されるとよいと思います。

そうそう、今月末に大分県がギタンジャリ・ラオの特別講演会を行うみたい。

さて、二冊目はサラ・ヘンドリックス『自閉スペクトラム症の女の子が出会う世界』である。

著者のサラ・ヘンドリックス(Sarah Hendrickx)は、自閉症などを対象とした訓練やコンサルティング、ビジネスをサポートする団体を運営する研究者にして、自らも自閉症スペクトラムの診断を受けている。

確か堀越英美さんの次女さんも自閉症スペクトラムの診断を受けていたと記憶する。そうした意味でこの本の翻訳は訳者自身にとっても実用性があり、切実な内容を含んでいたと推測する。

紹介した2冊とも教育的な本であるが、思えば堀越英美さんが昨年出した2冊の本も娘さんを持つ母親として、とても教育的な本であった。

『スゴ母列伝』が特にそうだが、堀越英美さんは女の子、そして娘を持つ母親の両方に力を与える教育的な仕事をずっとやっていることに気づく。しかもその仕事に説教臭さは微塵もなく、何より著者自身が刺激を受け、楽しんでいるのが分かる。今回紹介した翻訳書二冊もそういう仕事に違いないし、そのように仕事に一貫性というか、貫くものを持っている人をワタシは尊敬する。

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