「TikTok の時代に我々はスローダウンできるか?」というタイトルが面白くて調べてみたら、この文章の著者の Jenny Odell はヴィジュアルアーティストにしてライターみたいで、今年の春に本を出していた。
日本でもちゃんと紹介されていた。元掲載サイトである JBPress ではプレミアム会員にならないと読めないが、ちょっと邪道かもしれないが配信先のライブドアニュースで全文読めます。
ジェニー・オデルは、先端技術のメッカ、シリコンバレーのど真ん中で育ち、Google Earth などでデジタルデザイン作品を発表しているネットネイティブなミレニアム世代なのにあえて、ソーシャルメディアが主導するアテンションエコノミーへの反逆を説いているところが面白い。具体的には彼女自身アーティストなので、学生には「クリエイティビティには時間がかかる」ということを説いている。
これを機に調べてみたら、刊行当時コリィ・ドクトロウも書評を書いて推している。
「何もしない方法」という副題は挑発的で、これは邦訳出ると面白いと思うね。
How to Do Nothing: Resisting the Attention Economy
- 作者: Jenny Odell
- 出版社/メーカー: Melville House
- 発売日: 2019/04/09
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How to Do Nothing: Resisting the Attention Economy (English Edition)
- 作者: Jenny Odell
- 出版社/メーカー: Melville House
- 発売日: 2019/04/23
- メディア: Kindle版
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調べてみたら、著者は Google でこの本の講演をやっている。YouTube のコメント欄を見ても、この講演をシリコンバレーの中心地のひとつである Google でやってることに皮肉を感じている人が散見され、「まるで屠殺場でヴィーガンのライフスタイルを勧めるプレゼンをやってるみたいだ」というコメントに笑ってしまった。
さて、実は以上のエントリは2か月近く前に書いていたのだが、なぜか公開し忘れていた。
WIRED.jp の菅付雅信の連載『動物と機械からはなれて』にジェニー・オデルのインタビューが掲載されているのを見て(これもなかなか面白いインタビューである)、自分のブログを検索しても彼女についてのエントリが出ないのに公開し忘れに気づいた次第である。