今年の1月の文章なので話が少し古い(と感じるくらいこの話題は展開が速いのが恐ろしい)が、確かに「AIに政治的見解はあるのか?」というのは、言われてみるともっともな疑問だ。
このエントリを書いているのは Truveta で機械学習エンジニアを務める Yennie Jun だが、GPT-3 の政治的傾向を探るという面白い試みをやっている。
GPT-3 に Political Compass を受けさせたところ、経済に関しては中道左派、社会に関してはリバタリアンという結果が出たとな。
各質問を5回答えさせたそうだが、GPT-3 の回答にはランダム性があるので、今誰かが同じようにやって同じ傾向が出る保証はない。ただこの人の試みの面白いのは、GPT-3 が確固たる回答をする質問と、逆に回答が揺れる質問を調べたところ。
全体的な傾向として、人種、性的な自由、子供の権利といった社会的な話題については確度高く進歩的なようだ。特に中絶に関しては、それを常に違法とする意見には強く反対している。一方で経済的な話題についてはあまり進歩的ではないという。
そして、階級制度や死刑制度についての質問には回答に揺れがあるようで、そりゃ死刑の話は簡単には答えられんよな、とそういうところがヘンな表現になるが「人間的」に感じられなくもない。
先ごろ公開されて話題をさらった GPT-4 で同じ実験をするとどういう結果になるんでしょうな。
そういえば、マーク・クーケルバークが書いている「AIの政治哲学本」はこういう話を含むのかな。