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XTC "Black Sea"

CDジャケット

先週三回も更新したんで、当分本サイトの更新はないと思ってくだされ。

さて本作は、XTC のアルバムの中で最も名の知れたものだと思う。素朴なロックリスナーであるワタシも、このアルバムが一番好きであり、はじめて XTC を聴く人にはまず本作をお勧めしたい。

何より優れた楽曲が多いというのが一番で、今聴くと音作りがいささか性急な感じもするが、彼らのキャリアを通してみても代表曲といえるものが何曲も入っているし、アンディ・パートリッジ親父の楽曲は言うまでもなく、コリン・ムーディングの "Generals and Majors" と "Love at First Sight" の二曲が、シングル曲になる出来なのも嬉しい。

当時のバンドの勢いが、リズムの闊達さに出ているのが素晴らしいわけだが、本作前後にバンドはライブ活動を完全に停止してしまう。それはやはり総体としてバンドにとって痛手だったと思う。

その当時の逸話として、何かのフェスティバルで最後に全バンドでポリスの楽曲を演ったのだが、どこから見つけてきたのかアンディ・パートリッジがステージにパイナップルを持って現れ、スティングがベースから手を離せないのをいいことにパイナップルをスティングの頭に乗せ、マイクを奪って「パイナッポー! パイナッポー!」と叫んだという話を田中宗一郎が昔書いているのを読んだことがある(多分、正確ではない)。やはり相当精神的に大変な時期だったようだ(笑)

さて、本作のプロデューサーはこの時期の仕事で英国を代表する名プロデューサーとなったスティーブ・リリーホワイトで、エンジニアはこちらもポリス〜スティングのプロデューサーとして名高いヒュー・パジャムだが、彼らの作る音も本作のブーストになっている。

もっともリリーホワイトは、後に『Nonsuch』制作直前にカースティ・マッコールとの離婚問題のため降板し、パートリッジ親父の怒りをかっている。思えばU2の新作は、『War』以来約20年ぶりにリリーホワイトがメインプロデューサーを務めている。どういう音か楽しみである。

ちなみにこの『War』のジャケットが印象的な少年は、『Boy』のジャケットの男の子と同一人物なのだが、アメリカではチャイルドポルノと誤解されるということで差し替えになったという話を昔聴いたことがあるが、ホントかな? 確かに今 Amazon を見ると、少年のジャケットでなくなっているな。

しかし、驚くのは件の少年は映画にも出ているんだね。それはアラン・パーカー『ザ・コミットメンツ』で……(以下どこまでも昔話が続く)

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