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メディアミックスならざる安直な「ウェブ本」は本当に売れるのか?――附:「自費出版」と「文筆業」の違い

またしても松永さんが長尺の読み応えのある文章を書いている。はじめはどうして自費出版本の話が出てくるのかよく分からなかったのだが、読んでいくにつれ、ウェブというメディアの特性の話、出版業界の話、文筆業者の話などがつながってくる。「文筆業はサービス業」というのは正にその通りで、それができないのでワタシは物書きにはなれないのである。

献本いただきながらちゃんと読書記録が書けなくて申し訳なく思うが、松永さんの『ウェブログ超入門!』を本文と照らし合わせると、ウェブログという紛れもなくウェブというメディア特有のものについて、実際ウェブリソースの内容を引きながらも、単なるサイト内容の焼き直しでない縦書きの書籍に落とし込まれているのに唸らされる。

ただそれより何より、この長尺のエントリの後半に、

 『電車男』は例外中の例外だ。そもそも、2ちゃんねるに「すまん。俺も裏ぐった」「めしどこか たのむ」の投稿があった段階ですでに打ち合わせ済みのシナリオがプロたちの手によって最後まで完成していたようなものを、ごく普通の人がごく普通に書いたブログの書籍化と同列に扱ってはならないのである。

なんて文をさりげなく忍び込ませているところに松永さんの人の悪さを強く感じるのである(笑)。

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