もっと前に取り上げるべきだったが、Om Malik が面白い文章を書いていた。Google Maps の新機能 My Maps などを受けて David Galbraith が The Day Web 2.0 Died(Web 2.0 が死んだ日)というエントリを書いたのを受けて Om Malik がおおよそ以下のように諭している。
Web 2.0 の話でこれまで重要だったのは API、マッシュアップ、低コストなインフラ、そして広告ビジネスモデルを基盤とする消費者に大方無料で提供される構築アプリだ。思うにこれはフリーラブのヒッピーの段階である。2006年の秋にサンフランシスコで開かれた Web 2.0 カンファレンスはさしずめウッドストックだった。
優れたものがたくさん登場し、イノベーションも花開いたけど、今は Google や Amazon といった API を普及させた大企業が支配権を取り戻そうとするもっと現実的な段階に入ろうとしているんだ。
そしてエントリの最後を、「私としては、これを『無垢の喪失(End of Innocence)』と呼びたいね」と締めくくっている。
この話題については John Hagel の Complacency and Web 2.0 も参考になるが、ワタシが Om Malik の文章を読んで思い出したのは、山形浩生の「インターネットの中年化」である。可能性に満ちた青春時代は終わり、安定と肥大化の退屈な中年期を迎えるのは、企業にしろ何にしろ不可避なのかもしれない。
そして一方で、何か気に入らないことがあればすぐに「終わった」、「死んだ」と騒ぐ人がいるが、上に書かれるような不可避な中年化かもしれないし、その人が見えてないところで支配の幅を広げているかもしれないというのは考えてみたほうがよい。