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エンジニアが一人Googleに入るたび、スタートアップが一つ死ぬ

Hunch の共同創業者である Chris Dixon が面白いエントリを書いている。

最初ベンチャーキャピタル(VC)の投資効果の話かと思いきや、過去50年世界で最もイノベーションが起こったのがシリコンバレーである話、そして文化的な問題の話に移る。現在ではアメリカでも大部分の若者がリスクを取らず、スタートアップに身を投じることがないと Chris Dixon は嘆く。

我々は自分たちの文化を起業家精神にあふれていると考えたがるが、現実は最高の才能の99%は会社を立ち上げることをまじめに考えたりしない。大学は大変頭が良く、十分教育を受けた若者を量産している。その大多数は、実は何も生み出さない「管理側(administrative)」の職業に向かう――法律や銀行やコンサルティングだ。

アメリカでは頭の良い人間は皆起業するのに日本ときたら…」としたり顔で語る出羽守がいるが、現実はそうでもないらしい。大半の若者にとって、スタートアップがもたらす所有や自主独立の感覚はやる気を駆り立てる原動力にならないというのだ。

そして Chris Dixon は最後にこう書く。

優れた若者がゴールドマンサックス、マッキンゼーGoogle に入社すると決めるのを見るたびに、僕は密かに考える。たった今スタートアップが一つ死に、そしてその結果我々の世界は少し貧しく、イノベーティブでなくなり、そして面白くなくなったのだと。

Google を「管理側」に置くことに異論があるだろうし、実際件のエントリは大量のコメントがついている。そういえば Slashdot「シリコンバレーの栄光の日々は終わった?」というストーリーがあがっていたが、これも関係した話だろうか。

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