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マイラ ―むかし、マイラは男だった―

ゴア・ヴィダルが死んだとき、そういえば彼の代表作が映画化されてたんだったと思い出して借りてみた。

いやー、これはヘンな映画ですね。公開当時大不評だったというのも分かる気がする。この映画の舞台はずばりハリウッドだが、そうした映画のカットバックが多く、オールドハリウッドが本作の性道徳の転覆に加担させられるという構図は、そりゃ青筋立てて怒る人も出るだろうな、と。

ならダメな映画かというと全然そんなことはなくて、マイロンが性転換手術を受ける冒頭から実にキャンプな感じで、原作がどうというのは知らんのだが、マイロンとマイラが一緒に踊るオープニングクレジットから、今なお新鮮な映画体験ができる作品だと思う。

主役のマイラを演じるのがラクウェル・ウェルチだが、今じゃ彼女を『ショーシャンクの空に』でしか「見た」ことのない人も多いのかな。それはともかく、当時セクシー女優として人気絶頂だった彼女がよくこんな役を受けたなと思わせる、ハリウッドに乗り込み、旧来の性道徳を翻弄する女性を楽しそうに演じている。

この映画は脇役が、ジョン・キャラダインジョン・ヒューストンファラ・フォーセットなど豪華なのだが、特に感心したのが、当時70代後半だったメイ・ウエストが、ちゃんと綺麗に撮られていたこと。

本作のハイライトはマイラがマッチョ男を張形で犯す(!)シーンだろうが、個人的にはラクウェル・ウェルチファラ・フォーセットの本格的なレズシーンがあるともっとよかったと思います。ハイ。

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