ルー・リードの訃報が流れた直後に告知されているのに買い忘れていた rockin' on のルー・リード追悼号をようやく購入して読んだ。
[ロック問はず語り]シリーズを読んでいただければ分かるが、ワタシがロッキング・オンの読者だったのは1989年〜2004年の間で、その後も何度か不定期に購入していたはずである。しかし、今回は5年以上ぶりだと思う。ワタシが毎月買っていた頃よりも分量がげっそりとスリムになっていて、なんとも物悲しいものがあった。あと渋松対談はもうやらないんですかね……。
この号は、久方ぶりに大類信がデザインを手がけている。表紙からして大類さんの仕事なのだが、久々なためか写真に重なる文字のサイズや間隔がちょっとおかしかったりした。
それはさておき、ルー・リードが写真家ミック・ロックとともに行った生前最後のインタビューが収録されているが、その冒頭、当時久方ぶりの新譜を出したデヴィッド・ボウイの特集のためにコメントをとろうとする NME のインタビュアーにぴしゃりと言っている。
ルー・リード「じゃあ、今から言っておくけど、俺はデヴィッド・ボウイのアルバムのプロモーションなんかやらないからな。それを俺とのインタビューに突っ込んでくるんなら、荷物をまとめてさっさと帰ったらどうだい。そういう質問には俺は一切答えたくないから。俺がここに来たのはデヴィッドのプロモをやるためじゃないんだ。そこにちょっとでも近づこうとさえするなよ。マジで言ってるからな。デヴィッドの新作についてどう思いますかっていうのがその質問表に書いてあるのもこっちから丸見えだぞ。そういう質問ならデヴィッドに訊けよ。俺に訊いてんじゃないよ」
この頃には体調もよくなかったはずだが、この強面ぶり、この容赦のなさ。これこそルー・リードである。
編集後記で内田亮も書いている。
今回の特集に当たって、ルーのインタビューをそうとう読み直したが、ジャーナリスト(特にイギリス人)が受けている仕打ちがとにかく酷い。だいたいは、質問者が涙目になっているのが容易に想像できる内容だし、場合によってはリード文にかなり辛辣な言葉を述べて、リベンジしていたりする。
今度帰省した折に例のインタビュー以外のロッキング・オンにおけるルーのインタビューを探してみようと思う。
あとルー・リードについて最近読んだのでは、「ルー・リードがいたから、私は大統領になった」が面白かった。ルー・リードとハヴェルについてはワタシも「魔法と喪失(1) バンドマジックの裏側」で触れたが、ハヴェルがホワイトハウスでの晩餐会にルー・リードの演奏をリクエストしたときのホワイトハウス側の動揺、そしてリハーサルの際のルーと社交担当秘書カプリシア・マーシャルとのやりとりは笑えた。
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