当ブログは YAMDAS Project の更新履歴ページです。2019年よりはてなブログに移転しました。

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ロック問はず語り

渋谷陽一の悪筆とロバート・フリップへのプレゼント

渋谷陽一の訃報を受けての投稿をこのひと月ほどいろいろ見ては、こちらもいろいろ思い出すところがあった。渋谷陽一語録※「頭がいい人は字が奇麗ではない。頭脳を奇麗に字を書く、ということ以外に酷使しているから」渋谷さんは字があまり奇麗ではなかった。…

ロンドン特派員児島由紀子の不在

こないだの渋谷陽一追悼エントリの最後で以下のように書いた。 それとは別に、もう一人、ロッキング・オン関係者の「不在」について近々書くかもしれない。 渋谷陽一のワタシにとっての功罪 - YAMDAS現更新履歴 念頭にあったのは、ロッキング・オンのロンド…

渋谷陽一のワタシにとっての功罪

rockinon.com2023年11月に入院の報があった後、確か翌年の2月に予定されていた出演イベントが即座にキャンセルされたとき、これは彼が帰ってくることはないのではと思ったのを覚えている。以降、彼の病状についての情報は一切漏れてこず、それが事態の深刻さ…

追悼ブライアン・ウィルソン――渋谷陽一が語る「いちばん好きなビーチ・ボーイズのビデオ・クリップ」

nme-jp.comスライ・ストーン、ブライアン・ウィルソンとポップミュージックの世界で偉大な仕事をなした人の訃報が続いたが、二人とも82歳、自分たちが知る音楽界の偉人が寿命で亡くなるようになったのだなという感慨があった。ビーチ・ボーイズは必ずしも得…

非正規雇用者ロン・ウッドの献身

nme-jp.comロン・ウッド(現在はロニー・ウッドのほうが正しい表記なのか?)が、80年代、ミック・ジャガーとキース・リチャーズの関係が最悪だった時期に「会話を繋ぐトーチ」の役割を果たした話をしている。 「『電話でお互い話をしてみたら?』と言うと、…

30年前に渋谷陽一はビーイングについてどう評していたか

togetter.com昨年末のNHK紅白歌合戦に特別枠で初出場して話題をさらった B'z を巡り、年明けに X などで議論になってるのを見かけた。その関係で、速水健朗さんの元日のツイートが気になった。ただ数年経って状況が変わる。気が付くと世の売れている音楽の大…

渋谷陽一「僕は売れるポップ・ミュージックが大好きだ」再読

本当ならこの週末は WirelessWire News 連載原稿を書いてなければいけないのだが、書き上げるどころか書き出すところまですら行けなかった。しかし、次の週末も土曜日は丸一日予定が入っており、果たしていつ原稿を書けるか目途が立たない……。というわけで、…

渋谷陽一は16時間ものラジオ生放送中に40歳の誕生日を迎えていた

www.nikkansports.com旧聞に属するが、ROCK IN JAPAN 2024 in HITACHINAKA の大トリで登場したサザンオールスターズについての記事だが、桑田佳祐が歌の中で渋谷陽一に言及したと聞いて、ああ、そうだった、このブログでたまに渋谷陽一の著書からの引用を紹…

オアシス再結成について思うところは特にないので、1994年のインタビュー記事を振り返る

nme-jp.comさて、先週はオアシス再結成が正式発表されたわけだが、それについてワタシが思うところは特にない。自分のブログの過去ログを探すと、2009年のオアシス解散時にワタシは辛辣なことを書いているが、2000年のオアシス福岡公演でリアムが数曲で退場…

産業ロックについて語るときに渋谷陽一の語ること

rockinon.comこの記事タイトルには苦笑してしまった。ジャーニーを「「産業ロック」呼ばわり」って、それやったの、お前のとこの社長(現在は会長)だろが!というわけで、渋谷陽一の著書などからの引用を今月もやらせてもらう。今回は、彼が「週刊FM」1982年…

渋谷陽一の架空インタビューと再結成しないバンドについて

先月、「これからたまに渋谷陽一の著書からの引用をお届けしたい」と書いたので、今月の渋谷陽一引用をやりたい。先日、rockin' on 2022年3月号を読み直す機会があった。これは雑誌ロッキング・オンの創刊50周年記念号なのだが、1970年代の同誌に掲載された…

ポール・ウェラーのとてもいい話、そして1990年のプリンス担当ディレクター日記

www.udiscovermusic.jp先ごろ充実した新譜『66』が出たポール・ウェラーについて、彼が1990年代のはじめにソロとして再起を図った頃に担当 A&R を務めた佐藤淳氏が語るインタビューだが、これが実にイイ。実は、ワタシは佐藤淳氏の文章には30年以上前から親…

陽一の空手いきあたりばったり――渋谷陽一が空手をやっていた頃

理由は聞かないでいただきたいが、これからたまに渋谷陽一の著書からの引用をお届けしたい。今回は渋谷陽一『ロック微分法』(ロッキング・オン)の「陽一の空手いきあたりばったり」と題された章から引用する。渋谷陽一は、1982年から1983年にかけて、雑誌…

シェイン・マガウアンが亡くなる30年以上前、かなりその近くまで来ていた頃の話

nme-jp.com旧聞に属するが、昨年ザ・ポーグスのシェイン・マガウアンが亡くなった。現代英国でもっとも愛されるクリスマスソング「ニューヨークの夢(Fairytale of New York)」をはじめとする代表曲で知られるが、訃報を受けてアイルランドの大統領が追悼の…

1991年の山下達郎インタビューに見る根深い孤立感と不信感

少し前に、以下のツイートを目にした。For You がリリースされた頃、山下達郎は今のようにリスペクトされる存在ではなく、一般リスナーにとっては「流行り物」で、頭でっかちの音楽好きにとっては「チャラチャラした音楽」と捉えられていたことは、ポップミ…

ライブ用耳栓を使うのが失礼もなにも、ミック・ジャガーも使ってるぞ

www.j-cast.com旧聞に属する記事だが、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインみたいにライブの客に耳栓を配る話を知る者としては、「ライブ用耳栓を使うのは失礼」ってどういう価値観なんだと不思議に思ってしまう。まぁ、マイブラはちょっと特異かもしれないが…

追悼ジェフ・ベック――1989年インタビューに見る中年の危機からの脱出

nme-jp.comジェフ・ベックの訃報には驚いた。昨年もジョニー・デップとの共演アルバムを出し、元気にツアーをやってたし、何より若い頃からほとんど変わらない佇まい、要はハゲもせず、太りもせず、精悍さをずっと維持していた人だから。三大ギタリスト(日…

ジョン・ライドンと結婚しそこねたクリッシー・ハインドの話など

kingink.bizスティーヴ・ジョーンズの自伝を原作とし、ダニー・ボイルが監督した(そして、ジョン・ライドンが訴訟を起こしたりして揉めた)Pistol をワタシは観ていないのだが、このドラマ評で「ヒロイン(?)役として登場するのがなんとクリッシー・ハイ…

Netflix『アンディ・ウォーホル・ダイアリーズ』で思い出すジェリー・ホール、ジュリアン・バトラー、ルー・リードの話

Netflix で配信されている『アンディ・ウォーホル・ダイアリーズ』を牛歩の歩みで観ているのだが、このドキュメンタリーについては、人工知能で再現したアンディ・ウォーホル本人の声がナレーションを担当する倫理的な問題も話題になったりした。普通に聞く…

追悼チャーリー・ワッツ ~ かつてワッツ夫人が語った「ローリング・ストーンズ」に対する深い怒り

rollingstonejapan.comもはや説明の必要はないが、チャーリー・ワッツが亡くなった。ワタシが節約打法と呼ぶ、ハイハット抜きに特徴のある彼のドラミングを愛する者としてとても悲しい。ピーター・バラカンが「チャーリーがいなければ、ストーンズはもう終わ…

1990年の初来日時にキース・リチャーズが語ったエリック・クラプトン、ストーンズの代表曲の実際の作者、そして"Start Me Up"製作秘話

www.udiscovermusic.jp旧聞に属するが、ローリング・ストーンズが1989年にアトランティック・シティで行ったライブを収録した『Steel Wheels Live – Atlantic City, New Jersey』がリリースされた。このときのツアーを収録したライブ盤は過去にも出ており、…

ハッピー・マンデーズの伝記映画のニュースを知って思い出したショーン・ライダーのかつての犯罪自慢

注意:以下、犯罪行為の話など不愉快な内容を含みます。ハッピー・マンデーズの伝記映画が作られるとのことである。Kingink さんは「ショーン・ライダーの伝記映画って…世も末だ」と吐き捨てていたが、「マッドチェスターのパーティーシーンの重要人物になる…

映画『ボヘミアン・ラプソディ』、そして1991年のブライアン・メイのインタビュー記事を題材にたどる史実との相違

【Amazon.co.jp限定】ボヘミアン・ラプソディ 2枚組ブルーレイ&DVD (特典映像ディスク&オリジナルTシャツ付き)[Blu-ray]ラミ・マレックAmazon映画『ボヘミアン・ラプソディ』については、最初批評家による低評価が伝わり、これはパスかなと思いかけたが、実…

ロック雑誌編集部とセクハラについて

この間増井修の『ロッキング・オン天国』について書いたが、その中で自分はサラリーマンとして意識的にキャラを立てていたら、会うなり犯されるのではないかという恐怖からか、腰がひけたまましか接してこない女性編集者がいたとか書いていた。今では完全に…

往年のロキノンマニアとして、増井修の著書『ロッキング・オン天国』が楽しみだ

音楽評論家・増井修の著書『ロッキング・オン天国』が発売 - amass 1989年から2004年(実際には2006年ぐらいまで不定期で買っていた)までの15年間雑誌 rockin' on の読者だったワタシにとって、これは楽しみな本である。ロッキング・オン天国作者: 増井修出…

追悼:デヴィッド・ボウイのインタビュー発掘――十代の視点と過激で狂信的なあの情熱を失ってしまった時どうあるべきか

デヴィッド・ボウイ、逝去。享年69歳 | NME Japan 先週末デヴィッド・ボウイの新譜が Amazon から届いたのだが、用事が立て込んで一度しか聴けず、早くじっくり聴きたいと思っていたところで彼の訃報が飛び込んできて、びっくりした。最初何かの冗談だと思っ…

映画『Straight Outta Compton』全米大ヒット記念! N.W.A.の過激インタビュー再録

西海岸ヒップホップ、ギャングスタラップを代表する伝説的グループ N.W.A. の伝記映画『Straight Outta Compton』が全米大ヒットとのことで、元メンバーのドクター・ドレーの新譜『Compton』も当然のようにヒットとなり、エミネムが加わった N.W.A. の再結成…

ルー・リードのインタビュー発掘:偏屈オヤジはエレカシをどう聴いたか

本当は読書記録を書くべき本がたまっているのだが、今風邪でひどい状態なため、1989年から2004年あたりまでおよそ15年間読者だった雑誌 rockin' on から記事を発掘する「ロック問はず語り」でお茶を濁したいと思う。今回取り上げるのは、昨年秋に惜しくも亡…

ルー・リードは死ぬまでルー・リードだった

ルー・リードの訃報が流れた直後に告知されているのに買い忘れていた rockin' on のルー・リード追悼号をようやく購入して読んだ。[ロック問はず語り]シリーズを読んでいただければ分かるが、ワタシがロッキング・オンの読者だったのは1989年〜2004年の間で…

キース・ムーンが八発キメたのは「象専用の鎮静剤」ではなく「合成ヘロイン」だった?

TBS ラジオの文化系トークラジオ Life の「論壇のいま、Lifeのこれから」に出演された円堂都司昭さん(id:ending)がキング・クリムゾンの "Elephant Talk" をリクエストしたことを踏まえたツイートでリンクされていたProgLyrics(プログレッシヴ・ロック名…

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