東京国際映画祭で上映された黒澤明の『生きる』のリメイク『Living』を観た人の好評を Twitter でいくつか見た。なにせビル・ナイ先生主演ということで、ワタシも日本公開が待ち遠しいのだけど、このリメイク作の脚本がノーベル文学賞作家カズオ・イシグロなのも話題になっている。
彼が映画の脚本を手がけるのは初めてではないが、思えば彼がどんな映画が好きなのか知らなかったりする。ちょうどよいところにそれをまとめた記事を見つけた。
カズオ・イシグロが好きな映画で分かっているのは、以下の10本のようだ。公開年順に並べた。
- ジョージ・キューカー『素晴らしき休日』(1938年)(asin:B00NEICUGC)
- アルフレッド・ヒッチコック『バルカン超特急』(1938年)(asin:B00C7MDQUA)
- エメリック・プレスバーガー、マイケル・パウエル『老兵は死なず』(1943年)(asin:B004NZJ4R8)
- 小津安二郎『東京物語』(1953年)(asin:B00C7GDOMQ)
- 黒澤明『七人の侍』(1954年)(asin:B002DUH7HE)
- ジャック・ドゥミ『シェルブールの雨傘』(1964年)(asin:B004SFUDLO)
- セルジオ・レオーネ『ウエスタン』(1968年)(asin:B00WZ7CMSE)
- ジャン=ピエール・メルヴィル『仁義』(1970年)(asin:B075LKKW1N)
- ビリー・ワイルダー『シャーロック・ホームズの冒険』(1970年)(asin:B007UVGSNA)
- ジム・ジャームッシュ『ナイト・オン・ザ・プラネット』(1991年)(asin:B07GJV3RS4)
けっこう掴みどころのないリストという感じで、それはワタシがこの10作のうち半分しか観てないからというのもあるが、『ナイト・オン・ザ・プラネット』を除けば半世紀以上前の作品というのも大きい。さすがに最近の映画を観てないわけもないだろうから、その中で新たにお気に入りの映画を誰か聞き出してほしいところ。
カズオ・イシグロと映画と言えば、『裏切りのサーカス』について「ぼくはあれ、筋がほとんどよくわかんなかったよ」と少し悲しそうな顔で言った話を村上春樹が書いていて、カズオ・イシグロでも分からんかったのか、と妙なところで安心した覚えがある。
それはそうと、『Living』の日本公開はいつなんだろうな? 早く観たいぞ。