ヴィム・ヴェンダースが、第二次世界大戦終結80周年を記念して、ドイツが連合国に全面降伏する文書に署名した、フランスのランスにあるごくありふれた学校で撮影した短編映画が公開されている。
調べてみたら、日本語字幕付きの動画も公開されている。
非公式翻訳だったらイヤだなと思ったが、ドイツ大使館公式 YouTube チャンネルで公開されているものなので、これは堂々と紹介できる。
これは観てもらえば分かるが、「自由への鍵」は比喩ではない。Open Culture のエントリで、最後に以下のように書かれている。
連合国遠征軍最高司令官ドワイト・D・アイゼンハワーは、臨時司令部を閉鎖するときに、「これが自由な世界への鍵です」と言って、その鍵をランス市長に返却した。この言葉がヴェンダースの心を揺さぶるのと同時に、ロシアとウクライナの戦争が激化する中でさえ、ヨーロッパの若い世代がもはやその意味を理解していないことを彼は危惧している。米国に守られた社会に生まれた彼らは、当然のように平和を受け入れている。「アンクル・サムはもう長くは我々のために役割を果たしてくれない、という事実を認識しなければならないし、我々は自分たちでこの自由を守らなければならないだろう」とヴェンダースは New York Times のインタビューで語っている。第二次世界大戦の終結は、いわゆる「アメリカの世紀」の幕開けとなった。もしその世紀が完全に終わろうとしているとしたら、ヴェンダース以上にその世紀を観察するのに適した人物がいるだろうか?

